エアコンとサーキュレーターを併用しても「大して効き目が感じられない」という場合、いちどチェックしてみたらいいのが、サーキュレーターの置き方だ。実は、ひとことでエアコンといっても、冷房機能を使用している場合、除湿機能を使用している場合、暖房機能を使用している場合で、それぞれサーキュレーターの適切な置き場所は異なる。
それではまず、冷房の場合は、どういう場所に置くべきなのか?
冷房を効かせた部屋で起きがちなのが、足元は冷えているけど、上半身は暑いという状況。冷たい空気は重たいので床付近に留まりやすく、暖かい空気は軽いので天井方向に向かうからだ。見並さんは、この状況を防ぐために、「サーキュレーターで冷気を循環させること」が効果的だと話す。
「冷房の場合には、エアコンを背にした床付近にサーキュレーターを置いて、部屋の下に溜まっている冷たい空気を部屋全体に攪拌させるのがおすすめです。そうすると部屋に気流が生まれて、冷たい空気が部屋全体に行き渡り、清涼感がアップします。結果的にエアコンの設定温度を上げても涼しさを感じやすくなります」
とにかくジメジメするので「湿度を下げたい!」というときに使うのがエアコン除湿。除湿の場合は、サーキュレーターの置き方を変えて、「エアコンに向かって風を流す」のがいいという。
「サーキュレーターをエアコンに向けて、エアコンの方向に湿った風を送るのがおすすめです。ただし、エアコンから出てくる風を邪魔しないように、吹き出し口と風がぶつからないように置いてください」
ちなみに、サーキュレーターには上下左右の首振り機能が備わっているものとそうでないものがあるが、見並さんは「サーキュレーターの比較的近くを攪拌したい場合は上下左右首振り、 遠くまで攪拌したい場合は首振り無し」をすすめている。
外が涼しい日のサーキュレーターの置き場所は?
さて、暑い夏でも、タイミングによっては「外のほうが涼しい!」ということがある。そんなときにもサーキュレーターは大活躍する。シンプルに窓を開けて、サーキュレーターで室内の空気を吹き飛ばすのだ。
「開けた状態の窓に向かってサーキュレーターを置くと、屋内の空気の排出、外の空気の取り込みが可能となります」
サーキュレーターと併用すると、エアコン代は安くなる!
さて、ちょっと気になるのが、エアコンにサーキュレーターも使うと「電気代が高くなるのでは?」という心配だ。ただ、一般的に、サーキュレーターの消費電力はあまり高くない。うまく空気を循環させてエアコンの設定温度を高めに設定できれば、結果的に電気代も低減できる。そのため電気代の観点からもサーキュレーターとの併用がオススメだ。
ちなみに、「設定温度28度」と勘違いされていることも多いが、環境省が推奨しているのは「室温28度」を保つこと。部屋に温度計などを置いて室温を確認しながら、最適な設定温度を見つけるのがいいということだ。