湾岸タワマンの殺伐とした子育て事情 中学受験は当たり前? 娘のために日野市へ脱出した男性 | キャリコネニュース - Page 2
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湾岸タワマンの殺伐とした子育て事情 中学受験は当たり前? 娘のために日野市へ脱出した男性

男性の世帯年収は2000万円で、湾岸のタワーマンションを購入したのは10年ほど前。その時、男性は自分の未来に希望しか感じなかったという。

「娘が生まれるのを前に、35年ローンを組みました。タワマンはいわば、それまでの自分の努力の結晶。これからは、ここで父親になってさらに実りある人生を送ることができるんだと思っていました」

しかし、娘の成長と共にタワマンは誤った選択だったのではないかという疑念は拡大していった。

「もう東京では中学校受験がごく一般的なのは理解していました。それにしても、殺伐としすぎです。保育園の頃から幼児教室に通わせるのは当たり前。週に何度も習い事があるという子どもも多かったので驚きました」

マンションの住人同士の集まりで同世代の子どもを持つ親と話すと、子どもに通わせている教室がどれだけ効果があるかを話す親が多かったと、男性は語る。

「本当に効果があるかよりも、通わせている親のほうが効果があると信じたがっているようでした。新興宗教のお布施かと思いましたよ。それに、月に数万円かかる幼児教室でやらせている内容なんて『こどもちゃれんじ』と大差ないと思ったんです。だからうちは妻と二人で『こどもちゃれんじ』に取り組む時間を増やすようにしました。さすがに英語だけは教室に行かせましたけどね」

「こどもちゃれんじ」はベネッセコーポレーションの0歳から6歳までを対象にした通信教育講座。新一年生が対象の講座でも年間で4万円 ほどと、幼児教室よりもだいぶ安く済むようだ。

男性がタワマンに嫌気が差したのは、娘が小学校に入ってからである。

「同級生の大半は、中学受験で有名なあの学習塾に通わせるじゃないですか。娘が中学受験をするかどうかはわからないが、妻と相談してひとまず通わせることにしたんです」

日野の一戸建てに引っ越すと「娘の顔がみごとに明るくなりました」

ちなみに男性が卒業した大学はMARCH。「受験勉強は苦しかったけど、つらい思い出はない」そうだが、娘には自分よりも楽をさせたいと考えたのだろう。ところが「中学受験で有名なあの有名な学習塾」は、男性の娘にはまったく適さなかった。学年が上がる頃になると、表情も暗くなり、塾に行くことを泣いて嫌がるようになった。

「これはマズいと思って退会することにしました。ところが塾の担当者は『辞められるのは結構ですが、学年が上がってからまた入りたいと思った時に空きがあるかわかりませんよ』と言うんです。こんなスタンスで子どもに勉強を教えているところが幅を利かせていると思うと、もう住んでられないと思いました」

意を決した男性は、JR中央線日野駅から徒歩15分ほどのところの一戸建てを購入することを決めた。

「タワマンは高値で売れたので、新しい家も少ないローンで購入できました。なにより、娘の顔がみごとに明るくなりました」

これからタワマンを購入しようとしている人に対して「子どもがいるならやめておいたほうがいい」という男性。それでもタワマンを購入したいなら、男性のように自分の給与が有名学習塾に吸い取られる可能性も、よく考えたほうがいいだろう。

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