会社敷地の側溝に子猫が… 深さは1メートル超! 同僚、上司と連携して無事救出!
春になると外で生まれた子猫を保護する人たちが増えますが、会社の敷地内で助けの必要な子猫を見つけた人もいるようです。emmaさん(@4004Multimedia)は6月5日にXに子猫の写真を上げ、次のようにコメントを書き込みました。
「会社の側溝に子猫がハマっているのを保護した!!との連絡あり とりあえずお迎えに行きました。仕事量が少ないため半休できて良かった〜」
側溝に落ちた子猫はどんな状態でいたのでしょうか。保護時と現在の状況も伺いました。(取材・文:辻ひかり)
深さは1メートル以上、水も流れていて間一髪
側溝にもいろいろな種類がありますが、子猫が落ちた側溝はどのようなところだったのでしょうか。
「会社の駐車場の横には農業用水が流れており、側溝の深さは約1メートル以上あります。そのときは幸い水はくるぶし辺りまでしか流れておらず、子猫はそこに落ちていたようです」(emmaさん、以下同)
側溝の写真を見せていただくと、深さが結構あり、壁の傾斜が急で垂直に近いです。保護時は「全長はスマホに収まるくらい」だったという子猫が、自力で抜け出せそうにありません。もう少し水量が増したら子猫は流されてしまったかもしれません。
間一髪のところで子猫を発見し保護したのはemmaさんの同僚でした。昼休みに会社の駐車場へ向かっていたときに見つけ、近くにいた上司に報告したそうです。
「上司が降りて行って子猫を救出したと聞いています。身体が濡れていたので震えながら鳴いて助けを待っていたようです。同僚は仲良しの友達でもあるので、すぐに私を思い連絡してきてくれました」
交代勤務であるemmaさんはこの日は午後から出勤の予定でしたが、始業時間の1時間ほど前に同僚から連絡を受けたため、半日の有給休暇を上司に願い出ました。上司自ら子猫を助けたこともあり、申請はすんなり通ったそうです。
「子猫は身体が濡れていたので、同僚はハンカチに包み、バスケットに入れて待ってくれていました。私は自宅に連れて帰って、すぐに温かいお湯に浸けて体を洗い乾かしました。新しい寝床などを用意したあと、夕方に動物病院で診てもらいました」
ウイルス検査などの結果、子猫の健康状態は良好であり、軽い猫風邪を引いていたものの自宅で保護するなら投薬の必要はないと獣医さんに言われました。emmaさんは心底ほっとしたことでしょう。
「大切な命のリレーをきちんと理解された里親さんを探しています」
子猫は生後2か月くらいの男の子で、体重は550グラムでした。emmaさんは「マルク」と名付けました。
「マルクは初日は大人しく猫を被っていましたが、実は元気で、わんぱくでした。よく食べて遊ぶのも全力で飛び跳ねています。水も飲め、カリカリフードも食べ、トイレも上手にできて完璧な猫ちゃんです!」
emmaさんのお家には先住猫さんがおり、「みんな甘えん坊」だと言います。そこに甘えたい盛りの子猫も加わり大変そうですが、このあとマルクくんを迎え入れてくれる家庭を探していくそうです。
「預かった命なので、この大切な命のリレーをきちんと理解された里親さんを探しています。条件付きでも里親になってくださる方なら、県をまたいででもご自宅まで連れて行きます」
この「条件」について補足になりますが、保護主さんが里親さんに年齢や家族構成、住居についてなど、様々な条件を設けることは珍しくありません。譲渡の際には保護主さん自らが里親さん宅に届け、譲渡後も定期的に連絡を取れることを条件にする保護主さんも多いです。これらの条件は、猫の幸せを願うだけでなく、里親さんが安心して迎えられるために設けられています。