「父が私の髪を引きずり、ビールを浴びせかけてきました」壮絶DVに長年苦しめられた女性の回想【前編】 | キャリコネニュース
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「父が私の髪を引きずり、ビールを浴びせかけてきました」壮絶DVに長年苦しめられた女性の回想【前編】

画像はイメージ

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親も人間であり間違いを犯すこともある。しかし子どもに暴力を振るうようでは、明らかに親失格だ。三重県の50代前半の女性(専門職/年収500万円)は、

「父は、DVで虐待男でした。とにかく怒りのスイッチがどこにあるかわからず、些細なことで怒り、物を投げつけてくる人」

と壮絶な過去を振り返った。物が当たり怪我や火傷したこともあったというから衝撃だ。(文:天音琴葉)

「炊飯器、扇風機、味噌汁の鍋、飼っていた猫」を投げられ…

子どもだった女性が部屋の隅でお絵描きをしていただけなのに、父親は「そこに座ってるのはなんでだ!」と怒り出すこともあった。「理不尽しかない人でした」という女性は今でこそ淡々とした様子だが、当時は怯えるように暮らしていたことだろう。

「投げてくるのも、炊飯器、扇風機、味噌汁の鍋、飼っていた猫と無茶苦茶。味噌汁の件では火傷もしました。デカブツを投げてくるので、避けたと思ったら足に落ちて打撲したこともあります」

火傷や打撲したにもかかわらず、母親は「我慢をしろ」「養ってくれているのだから」と言い聞かせるだけで、娘を守ろうとはしなかったようだ。そんな母親に対し、「手に職がなくて離婚できない人でした」と女性が冷ややかなのも無理もない。

そのため幼心に「親のようにはなりたくない」と思っていた女性は、「資格をとって経済的に自立してやる」と決意、両親を反面教師にしたようだ。「幸い頭はそこそこ良かった」と謙遜した女性は、大学進学を理由に実家を離れようと目論んだ。ところが、「通える範囲の国公立大でないとダメ」と釘を刺された。国公立を指定されたのは金銭的理由からだった。

「結局毎日片道2時間かけて旧帝大に進学。卒業後の就職は敢えて寮があるところにしました」

パジャマに裸足でスリッパ姿のまま、警察署へ駆け込んだ

ようやく実家から離れられて深い安心感に包まれていたことだろう。ところが、女性が年末に帰省したとき、事件が起きた。女性が新しい車に買い替えたことを知った父親が激怒したのだった。以前乗っていたものよりグレードが低い車を、自分のお金で購入したにもかかわらずだ。怒りのスイッチがどこにあるかわからない父親は相変わらずだったようだ。その時の状況を

「父が私の髪を引き摺り、ビールを浴びせかけてきました。止めようとした母も首を締められ、二人追い出されました」

と振り返った女性。このときは母親が止めようとするほど、父親の暴力が激しかったのだろう。女性と母親はパジャマに裸足でスリッパ姿のまま、なんとか財布を掴んで、警察署に駆け込んだ。ところが……

「当時の田舎警察署は、DV案件に弱かった。けど、いくら平成初期でも、パジャマ姿で首にアザがあったりビールで髪が濡れている親子が助けてと頼っているのに『家族喧嘩だと、命にかかわるだとかでもないと動けません』『親戚をまず頼ってください』という対応」

なんとかしてくれると思っていたであろう警察に素っ気無い対応をされ、女性も母親も心細かったに違いない。止むを得ず叔母の家まで走って向かったという二人は、このあとDV父親とついに決着をつけることとなる。【後編】へ続く。

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