ちなみに女性宅では子犬を飼っており、「うるさくしたら悪いからといって、ペットOKでもあえて1階を選びました」と最初から騒音には気を付けていた。ほかの住人もペットを飼っており、挨拶は和やかに済んでいたものの、「上の方だけは出てきてくれず挨拶を諦めました」と振り返る。
そんな中、いきなり怒鳴り込まれてしまったのだ。納得できないところはあったが、「うるさいと言われたうちが悪い」という前提で騒音対策を進めた。その内容は、防音シートにマットを敷き詰め、戸当り防止のスポンジのついたテープを貼り、さらには足音軽減効果のあるスリッパを履いて過ごすという徹底ぶりだった。
しかし、そこまでしても上階の住人は「瞬間的な物音」でクレームをつけに飛んできたため、ビクビクしながら過ごしていたという。
「台風の日なんて、我が家のシャッターに飛んできた石がカンカンと当たったときさえ文句を言いにきました。さすがにそれは理不尽と思い、呆れて二度目は無視したところ、外でドゴン!とすごい音が。なんとそのおじさん、うちのドアを蹴飛ばしました」
風で飛んできた石の音など、どうすることもできない。女性はたまらず、前々から騒音対策について相談してきた管理会社に泣きついた。すると管理会社は実際に生活音を聞きに行ってくれ、
「至って正常です。明らかにうるさいということはないので、これは管理会社の意見として上の人に連絡します。あなたは直接関わらないようにしてください」
と指示をくれたという。幸い、その日から上階の住人は来なくなり、やがて引っ越していったそうだ。「ノイローゼ一歩手前だったので本当に助かりました」と語る女性だが、気がかりなことが1つあった。
「たまたま(クレーマーの)奥さまと鉢合わせになったことがありますが、腰の曲がった気弱そうな女性でした。家でもこんなふうに怒鳴られているのかと思うと不憫で……」
女性はこの事件をきっかけに、賃貸に住むときはクレーマー住人がいないかの確認と防音マットの設置を欠かさなくなったという。
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