「ゲームの主人公、誰かに雇用されてるケースが多い」という意見が面白い
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画像はイメージ
突然だが、この記事をご覧のみなさんの大半は、誰かに雇用される立場ではないだろうか。会社員は会社の枠の中で働く人たちなので、当然オーソドックスに雇用される立場である。僕は個人事業主だが、1人親方なんて言ってもしょせんは大きな会社に外注で仕事をもらう立場だから、完全に独立した立場って感じではない。
で、話はガッツリ変わるが、雇用という概念をゲームにも持ち込んでみたい。古今東西色んなゲームソフトは存在するが、それらのタイトルの主人公たちを見てみると、意外と何者かに雇用されているという立場ということが多い。(文:松本ミゾレ)
勇者も雇用される側?
たとえば『ドラゴンクエスト』。国民的RPGだが、これもナンバリングタイトルは色々出ているものの、中には冒頭で王様に小銭と棍棒を渡され、正式に魔王を倒すように要求される作品もある。これなどは王様に雇用されていると言ってもいいだろう。
また、戦争モノのFPSもさまざまあるが、これもほとんどは所属する軍の兵士として現地に派兵された体(てい)で遊ぶもの。当然、兵隊稼業は職業なので、これこそズバリ雇用された存在と言えるはずだ。
なんでこんな話をしているのかと言えば、つい先日、5ちゃんねるに「ゲームの主人公って『雇われる側』が多数派だよな」というスレッドが立っていたのがその理由だ。言われてみれば……今まで色んなゲームをやってきたけれど、誰かに雇用された立場の主人公って結構多かったんだよね。
僕は『アーマード・コア』が好きなんだけど、あれもレイヴンって傭兵が立ち回る作品だし。企業とか個人に報酬を貰ってミッションをこなすから。
あと、クエストとかミッションという仕組みがそもそも、ゲームの進行をさせるにあたって、ゲーム中の誰かが命令や依頼をするというスタイルがいい具合に合致するもんだから、それに合わせて主人公が広い意味で雇用される立ち位置にあるってことも要因としてあるのかもしれない。
まぁ、プレイヤーからすればあんまり気にすることはない部分だし、ゆるく雇用されてる感じの主人公を操作する分には問題ないんだけどね。
逆に雇用する側が主人公というゲームもある。スレッドでは『ロマンシング・サガ2』が例として挙がっていた。あれは皇帝が主役なので、まさにそういうことになる。
あとは『ギレンの野望』もか。プレイヤーはガンダムシリーズの各派閥の大将の立場で遊ぶから、必然、軍団の一切を管理することとなる。この場合は会社で行ったら役員クラスだろうか。
プレイヤーが雇用する形式のゲームもあるよね
それから、プレイヤー自身が任意でプレイヤーの分身となるようなキャラを雇用するというスタイルのゲームも存在している。『ウィザードリィ』とかはその典型だろう。
自分でキャラを作って、SP振り分けたり職業を決めたり性格を選んで、迷宮に挑むパーティメンバーを作っていく。プレイヤーがそのパーティを管理して冒険するので、俯瞰で見ると雇用している立場になるんだろう。
また、先に名前を挙げたドラクエだって、ルイーダの酒場で仲間を雇っているような描写もある。あれも似たようなもんじゃないだろうか。
ああ、単純に、経営系のシミュレーションなんかは大抵が雇用する側になるのかな。『牧場物語』とか。考えてみると、雇用される立場の主人公を操作するゲームも相当多いが、そもそも主人公たちを管理するような、神の視点で遊ぶゲームも多い。
もっとも、さっきもちょっと似たようなことを書いたけど、雇用するタイプのゲームか、雇用されるタイプのゲームかなんてことをいちいち意識して遊んでる人はそう多くないはず。と考えると、スレ主は面白いところに気づいたものである。