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我が子にとってより良い将来のために、中学受験を考える親は少なくない。ただ、親も子も負担がかかることだけに「本当にやるべきか」は悩ましいところだ。投稿を寄せた50代男性(埼玉県/年収500万円)の場合は、
「水泳を習っていた長男が小学5年生の時、水泳部のある中学に行きたいと言い出しました」
と子どもが自分から中学受験をしたいと切り出してきた。親子にとってそのハードルはかなり高かったようだが……。(文:篠原みつき)
「同級生からの嫌がらせやイジメにあっていたようです」
子どもの希望を受け男性が調べてみると、水泳部のある近くの私立中学は2校あることが分かった。それを子ども伝えると「受験したい」と答えたため、親子はさらに色々と調べてみることにした。
「偏差値的には40から50くらいなので、どうにか勉強すればなんとかなるかな?と思って、とりあえず過去問を買って問題を見てみました。ビビリました。なんだこりゃ?高校入試の問題?ってくらいのワケワカランでした。それで長男も無理っぽいと思ったのか、それ以来中学受験の話しはしなくなりました」
最初の希望は思い付きのようで、あっという間に挫折したのだった。
ところが、6年生の夏頃になってから、長男は「やっぱり受験する」と言い出した。中学受験の準備期間としてはかなり厳しいことは明らかだ。男性も「今頃になってなぜ?」と思い子どもに訊ねるも、はっきりとした理由は言わなかったという。しかし人づてに聞いたところ、こんな事情があることが分かった。
「どうも5年生の時から1つ上の子と、同級生からの嫌がらせやイジメにあっていたようです。この事を聞くと、彼奴等とは一緒の学校に行きたくないと言い、中学受験をしたくなった様です」
このまま公立中学に進めば、またいじめられる生活になってしまう。子どもなりにそう危惧したのだろう。
「なんとか受験出来るだけのレベルまでになりましたが……」
それからは男性も勉強をし直して教えたというが、思うようには行かなかった。もちろん塾を頼ってみたものの、最初は絶望的な状況だったようだ。
「何軒も塾に相談に行ったりしましたが、時期が時期だけに受け入れてくれる所はありません。最後に個別指導の塾に行ってみました。最初は断られたのですが、子どものどうしてもチャレンジしたいという言葉を聞いて受け入れてくださいました」
子どもの前向きな言葉によって前に進むことが出来たのだ。ただ、中学受験はやはり甘くはなかった。
「なんとか受験出来るだけのレベルまでになりましたが、やはり時間が足りなかったので第一志望は不合格でした。でも諦めなかったのが良かったのか、第二志望には合格できました」
結果として、希望通り私立中学への入学が叶ったのだ。さぞかし親子で喜んだことだろう。男性は父親として、中学受験をこう振り返る。
「この受験をやらせてよかったと思ったのは、子どもが少し成長したように感じたからです。もし、第一志望から繰り上げ合格がきたらどうする?と聞いたら、少し悩んでから息子は正規に合格した所に行きたいと」
その言葉を聞いた時、「少し大人になったのかな」と感じたそうだ。得たものの大きさを実感している様子でこう語った。
「お金は掛かったし、これからも掛かりますが、私は受験させて良かったと思います」
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