食いつくし系が生まれる理由を当事者のライターが考える 母親の「男の子なんだからたくさん食べな」に原因? | キャリコネニュース
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食いつくし系が生まれる理由を当事者のライターが考える 母親の「男の子なんだからたくさん食べな」に原因?

画像はイメージ

褒められたことではないが、僕はとにかく家にある食材を結構なペースで平らげてしまう。だから残り物も出ないし腐らせることもないフードロス人間なんだけど、困った側面もある。いわゆる、食いつくし系人間なのだ。

食いつくし系。食事の際に大皿の料理を勝手にほとんど食べたり、家族が取っておいた冷蔵庫のプリンとかまで食べてしまう。基本的に食いつくし系の大半は男性で、特に結婚している男性がこれに該当すると、家族の不興を買いやすくなる。まあ、不興を買いやすいったって実際無思慮すぎるわけだから、否定されて当然なんだけどね。

今日はこの食いつくし系の習性と、自覚のある方々のための対処法なんかをちょっと、当事者として書いていきたい。(文:松本ミゾレ)

なぜ俺たちは食いつくすのか

食いつくし系が誕生する理由は、これは未だに全貌が解明されてはいないようだが、僕個人の見解としてはその人物の幼少期の家庭環境にあると思っている。子供の頃、僕は鍵っ子で夜遅くまで家に1人という時間が多かった。

その代わりに母親は仕事場でもらったというチョコパイとかカスタードケーキなど、カロリーの高いおやつをいっぱい用意していた。当時我が家は貧乏で娯楽になるようなゲームもそんなに買ってもらえなかったので、間食が娯楽になっていったのだ。自分が食いつくし系であると自覚するようになったのは、それからかなり時間が経過してのことだ。

若い頃、大勢でパーティーをしていた時に「あれもこれも全部食べたいな。まだ入るぞ」みたいな感覚をおぼえた。しかし普通に考えれば、パーティーで出されるオードブルなんてのはみんなで食べるもの。だからそれを独り占めはできない。そう思ってかなり我慢して、食欲を抑え、結局暴食ぶりをかまさずにお開きを迎えることはできた。

ただ、それから頻繁に自分の食への偏ったこだわりに気付くようになる。数日分の食材を買い込んだのに、それらを丸一日で全部調理して食べてしまったり。大袋のポテトチップスをあっという間に完食したり。酒の肴として用意したアテをさっさと食べて、酒だけ残したり。

こういうアンバランスな自分の食への姿勢に、はっとすることがある。自覚があるので人前では極力見せないようにしているが、彼女からも一度「あたしも食べたかったお菓子、食べたでしょ」と言われたことがあり超反省した。

食いつくし系になる理由は他にも考えられる。子供の頃から、母親にとにかくたくさん食べる子供が是という認識で育てられた者は、たくさん食べる=正義になり、大勢での食事で食いつくしの馬脚を露呈しやすい。そしてまた、それが男らしいと曲解している節もある。

あなたの周りにもいませんか? 「男の子なんだからいっぱい食べるのは当たり前」と言って見当違いに食べ過ぎてる息子を笑顔で見守ってるお母さん。あれがそもそもの元凶っぽい気がするんだよね。

食いつくし自体が明らかに異常行動であって、自覚し、抑えなければ周りに育ちの悪さがバレてしまう。育ちの悪さは、隠さなければならないし、矯正しなければいけない。

食いつくし系を自覚したらしたで、あらぬ誤解を与えることも…

僕が自覚するようになって以降に知り合った友人たちには、恐らく食いつくし系の意地汚い男だとは認知されていないはず。大抵の飲みの席でも「ミゾちゃんもっと食べなよ」と言われるし、そう言われる程度には自重して、主に酒で腹を満たしている。そうしなければならないぐらいには、暴食人間なんだよね。封印しないといけない。

ところが。ところがである。自分が食いつくし系だということを隠して他人と食事をするというのも、意外とこれが難しい。やっぱり思うところあって食卓を囲んでいると、どうも顔に出るようなのだ。

あるとき友人の自宅で食事をご馳走になることがあった。とろろご飯に焼き魚。汁物もついてたくあんもあったかな。それとは別に、銀杏と海老入りの茶わん蒸しも。こんだけあれば最高の食事である。米も大盛りだった。

ありがたく頂戴していたんだけど、「食いつくしの意地汚さを隠して食べないと…」ということに意識が集中していたのだろう。終始顔が曇っていたのだと、後日友人から聞かされた。

その上で「ごめんな、うちの飯、不味かった?」と言われてしまい、本当に土下座したくなるほど申し訳ない思いに駆られた。自分の意地汚さを誤魔化そうとしたばかりに、友人と、その家族に気を遣わせてしまったのだから。

こういうこともあり、それ以降は人のいるところでは「旨い旨い」と言いながら食事をするようになった。そう言いながら意地汚さを隠すのは、なかなか難しいが数年で慣れた。

食いつくし系はどうすれば治るのか

食いつくし系は、さっきも書いたが男性が多いようだ。女性の食いつくし系は、僕はまだ出会ったことはない。この手の食いつくし系男子とも言うべき存在には、特有の習性がある。

一つが普段の食事において食べるペースが、家族と不釣り合いに早い。二つ目は、冷蔵庫の中に入っている食材が、全部自分のものではないことが分からない。分かっていても「ま、いいや」と食べてしまう。三つ目は、数日分の食材を一気に食べるなど、計画性がない。

ではどうすれば、食いつくし系は普通の人と一緒に食事をしても不愉快にさせない振る舞いができるようになるか。これはもう自覚することが第一歩にして大前提。

大抵の食いつくし系は自覚がないのでまずここで躓くんだけど、周りがそれとなく「お前、みっともないぞ」と教える方がいいだろう。

そして自覚した上で食いつくしを防ぐための努力を講じるなら、まず食べたいものは自分で買うこと。たとえ家族とはいえ、自分以外の人が買ってきたものは「食べていいよ」と言われないかぎり決して食べないこと。この当たり前を当たり前にやらないとダメ。

後は家族との団らんで用意された食事が足りないなら、食いつくす前に自制し、後でコンビニとかでおやつを買い足すぐらいの努力はしないと、これもダメ。

この二点を意識しておくと、食いつくし系の素顔をだいぶ隠すことができるようになるぞ!
……あとは、どうしても我慢できずに家族のとっておいた物を食べてしまった場合は、ちゃんと自己申告して新しく同じものを買い足しておきましょう。それぐらいはしなきゃ。

 

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