世帯年収1100万円でも苦しい?学費3000万円で貯蓄激減、「何のために働いているのか」と嘆く50代女性 | キャリコネニュース
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世帯年収1100万円でも苦しい?学費3000万円で貯蓄激減、「何のために働いているのか」と嘆く50代女性

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「厚生年金の引かれる金額を見てびっくりします。本当、何の為に働いているのかと」

北海道在住の伊東さん(仮名、50代女性)。夫は金融機関に勤め、伊東さん自身も大手スーパーの宅配事業部でパートとして働く共働き夫婦だ。世帯年収は1100万円に達するが、決して裕福な生活を送っているわけではない。

子ども2人を大学に通わせるための教育費で、一時は貯蓄が底をつきかけたという。編集部は伊東さんに取材し、高年収世帯にのしかかる重い税金と教育費の現実を聞いた。(文:篠原みつき)

私立大と薬学部で「計3000万円」 借金寸前の資金繰り

伊東さんの世帯年収1100万円の内訳は、夫が940万円、伊東さん自身が150万円ほどだ。自宅は社宅で、家賃は3万円弱に抑えられているという。

しかし、この収入でも、子ども2人の学費を捻出するのは至難の業だった。

「夫の転勤で、子どもたちは高校の途中から下宿生活になりました。2人とも私立大学で下の子は薬学部でしたので、大学の学費と教材費だけで合わせて1700万円ほどかかりました。下宿代を含めると大学だけで2500万円以上、高校から合わせると3000万円近くですね」

最初は日々の収入でやり繰りしていたが、薬学部の後半になるといよいよ限界が近づき、トータルで700万円ほど貯蓄を切り崩した。

「貯蓄を崩し始めたら止まらなくなり、いよいよ借金するかと思うところまで追い詰められました。学資保険で200万円受け取りましたが、入学金と学費で一度に無くなり、最後の学費を納めるまで心配する毎日でした」

結果として奨学金も借りず借金もせず乗り切ったが、ちょうどコロナ禍に入った頃に下の子が薬学部を卒業し、「首の皮一枚といったところでした」と振り返る。

「ため息しか出ない」ボーナス支給日と消えた補助金

子どもたちが独立し、夫婦2人の生活になった現在も、伊東さん夫婦は生活の紐を緩めることはない。物価高の影響もあり、現在の食費は月4万円前後に設定している。

外食はほとんどせず、衣服はユニクロかしまむらで年1回買う程度。休日は自宅でゲームやハンドメイドをして過ごすなど、徹底した節約生活を送っている。その理由は、激減した貯蓄を定年退職までに復活させるためだ。

さらに彼らを苦しめるのが、容赦なく天引きされる税金と社会保険料だ。

夫のボーナスは総支給140万円前後だが、そこから厚生年金で25万円、健康保険で5万円、所得税で10万円ほどがごっそり引かれるという。

「ボーナス支給時の夫の反応は、諦めた感じのため息です。『何のために働いているのか? 払っている分だけ貰えるのか?』とよく話しています」

さらに、世帯年収1000万円超えという数字のせいで、これまで様々な補助金の対象外となってきた。

「児童手当は数年しか支給されず、幼稚園の保育料減免も対象外でした。苦しいとかの前に『そんなものは我が家には無いもの』として生活していました。やはり、満額支払うのが一番きつかったですね」

「学力はお金で買う時代」親の覚悟と次の世代への思い

教育費の支払いが終わった後、夫婦は先取り貯金などを駆使し、夫名義で1000万円、伊東さん名義で800万円まで貯蓄を回復させた。しかし、退職金は夫が500万円程度、伊東さんはゼロの見込みで、老後の不安は尽きない。

定年後は実家に戻り、親の介護を視野に入れながらパートを続ける予定だ。

「この物価高では、高収入と言われた1000万円世帯も生活が苦しいと感じる世の中になりました。お金の価値が下がり、児童手当をもらっている年収600万円世帯とほぼ変わりません」

それでも、伊東さんは子どもたちに多額の教育費をかけたことを後悔していない。かつてクレジットカードの審査部門で延滞者の督促業務をしていた経験から、「お金がないと這い上がるのが難しい」という日本の現状を痛感しているからだ。

「学力はお金で買う時代になりました。将来子どもが貧困にならないためには、どこかの世代でキツくても子どもに投資して、収入が確保出来る仕事に就かせ、次の世代で脱却させるしかないと思います」

豪華な旅行やブランド品には興味がない。日々のささやかな贅沢と、家族が健康で笑顔でいられること。それこそが、伊東さん夫婦が過酷な資金繰りの果てに見出した「本当の裕福さ」なのかもしれない。

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