「チビのくせに生意気なんだよ!」池袋で“ぶつかりおじさん”に狙われた150センチ女性大柄な知人の陰に隠れて難を逃れた恐怖
最初の被害は3年前の冬。23時頃、忘年会帰りに最寄り駅の地下通路を歩いていた時のことだ。
通路の左側ギリギリを歩いていたところ、5メートル先から30代くらいのカジュアルな服装の男と目が合った。すると男は急に歩く速度を上げ、浜岡さんに向かって突進してきたのだ。
避けきれずに体当たりを受けた浜岡さんは、その場にふっ飛ばされた。
「持っていたバッグの中身が飛び出るくらいの衝撃でした。何が起こったか分からず、びっくりしたのとすごい痛みで泣きそうになりましたね」
浜岡さんは、男のコートかカバンに「硬い鉄の板」のようなものが入っているように感じたという。ひったくりかと思って自分のバッグを引き寄せたせいで二の腕を外側に向けてしまい、そこに金属のような硬いものが直撃したのだという。男性は、そのまま走り去った。
後日、交番に被害を訴えると、警察官から信じがたい事実を知らされた。
「お巡りさん曰く、同じような被害が何件もあるそうです。悪質なのは、防犯カメラの位置を知っているのか、必ずカメラの無い場所で被害が起こっているということでした」
二の腕にできた巨大な青痣は消えるまでに1ヶ月近くかかり、痛みも2週間続いた。入浴や着替えのたびに痣を目にし、辛い思いをしたという。
清潔感のある営業マン風の男。目が合った瞬間に「ロックオンされた」
この恐ろしい記憶が癒えぬまま、浜岡さんは再び理不尽な悪意に遭遇する。昨年の秋、まだ蒸し暑さが残る昼下がりのことだ。
浜岡さんは、時々ランチに行く関係の知人男性(50代)と一緒に、池袋駅から少し離れた繁華街へ向かって歩いていた。知人男性は身長185センチの大柄で、見た目も少し怖そうなタイプだ。
一方の浜岡さんは小柄で歩幅が合わないため、自然と彼の斜め後ろを歩いていた。周囲からは同行者だと気づかれにくい位置関係だったという。
そこへ前方から、40代くらいの中肉中背の男が歩いてきて、2メートルほどの距離で目が合った。紺のスーツを着て短髪で清潔感があり、少し大きめのビジネスバッグを持った普通の営業マン風の男だ。
「目が合った瞬間に『ロックオンされた』と分かりました」
カバンを両手持ちに構え、舌打ちして放った捨て台詞
男は浜岡さんに向かって急に進路を変えると、片手で提げていたビジネスバッグを両手持ちに持ち替えた。
「おそらく私をカバンで殴るつもりだったのだと思います。殺気を感じました」
身の危険を感じた浜岡さんは、直前で大柄な知人男性の背後にサッと身を隠した。知人は男の不審な動きに気づいていなかったが、少し離れてすれ違うはずの位置から男が急加速してきたため、何事かと驚いたという。
突如として目の前に大柄な男性が立ちはだかったことで、犯人の男は慌てて振り上げたカバンを持ち直した。そして、ひどく悔しそうな顔をして舌打ちまでし、こう捨て台詞を吐いたという。
「チビのくせに生意気なんだよー!」
男はカバンを手提げ状態に戻し、そのまま小走りで元々の進行方向へと去っていった。知人の男性は「あれが噂のぶつかり男か。俺がいなかったらカバンで殴られてたな」と呆れていたという。そのときの恐怖を、浜岡さんはこう振り返る。
「私は捨て台詞を聞いて、その殺気立った表情がとても怖かったです。舌打ちまでして本当に悔しそうでしたから……」
狙われないための「黒マスク」と「黒縁メガネ」
2度の経験を経て、浜岡さんは「自分のような小柄で細身、派手ではない女性が狙われやすい」と痛感している。
現在、彼女が実践している無難な自衛策は「黒マスク」の着用だ。他人の黒マスクに威圧感を感じていたため、自分もつけることで少し強くなったような気分になるという。
蒸し暑い季節などマスクが難しい時期は、代わりに「黒縁メガネ」をかけて気持ちを落ち着かせている。
普通に街を歩いているだけで標的にされる。そんな恐怖を抱きながら、自衛を強いられている女性もいるのだ。
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