平日昼過ぎに編集部のある大門駅近くの松屋に行き、席に着いてスタッフに食券を渡すと、秒で出てきた。高評価のカレーがあっさり出てきて拍子抜けした。
目の前に配膳されたのは何の変哲もないカレーだった。なんならあまり肉が見えずがっかりした。しかし一口食べた瞬間、「大盛りにすればよかった」と思った。
コクと甘みが押し出されたルーにしっかりとスパイスが効いている。パッと見、牛肉が発見できなかったのは、とろとろになるまで煮込んでいるためだ。味のバランスが完璧で隙がない。高級ホテルで出てくるカレーのようだ。これが490円で食べられるのがすごい。
ごろごろとした肉のカレーも食べごたえがあって美味しいが、形が崩れるほど溶けているからこそ、スプーンでどこをすくっても牛肉を感じられる。幸福度が高い。松屋の傑作メニュー「ごろごろ煮込みチキンカレー」を超えた、という声が出てくるのもうなずける。ほかにも「創業ビーフカレーギュウ」「創業ハンバーグビーフカレー」などがある。
残念だったのは、店内はほぼ満席にも関わらず、創業ビーフカレーを食べているのは筆者だけだった点だ。声を大にしてこの美味しさを伝えたかった。出来なかったので記事にしている。同僚がチーズ入りの「創業チーズビーフカレー」を食べたが、「これはこれで美味しいけど、チーズが入るとバランスが若干崩れる。何も入れない状態ですでに完成されている」とコメントしていた。
ファンのSNS投稿で口コミ広がる 反響が大きければ期間延長の可能性も
松屋を運営する松屋フーズの広報担当は「ルーの2割は牛肉です。お客様からもお肉が多くて食べごたえがあると反響をいただいております。松屋のカレーファンがSNSに投稿して、それが拡散されて広がっている印象はあります」とコメントした。
「普段のカレーはもう少しスープに近いというか、サラサラ系です。松屋は牛めしのほかにカレーにも力を入れており、今回も数十回試行錯誤しました。スパイスの配合も普段と変えています」
“創業”ビーフカレーとある通り、「松屋」の創業者で代表取締役の瓦葺利夫氏が、東京都練馬の住宅街で開業した「中華飯店 松屋」で出していたカレーの味を再現した。当時のレシピそのままではなく、現代人の好みに合わせてアレンジしてあるという。
同商品は7月頭までの期間限定だが、同担当者は「反響が大きいと発売延長する可能性もあります」という。週8で通いたいところだ。