餃子をたらふく食べたい。そう思う瞬間はないだろうか。社会人になると餃子のおともはビールになりがちだが、就業中の飲酒はよろしくない。というか、ただただ餃子と向き合いたい。そんなあなたにおすすめなのがチェーン店の「W餃子定食」だ。
Wは2人前なので、餃子1人前が6個だとすれば12個以上の餃子がやってくる。しかも定食なので全部ひとり占めできる。すごい。今回は東京で食べられるチェーン店の7店鋪の「W餃子定食」を食べ比べ、特徴や価格などを紹介する。
記事の最後に各店舗のセット内容・餃子の個数・値段をまとめた。最悪そこだけでも見ていただき、W餃(ダブギョー)ライフに活かしていただけると幸いだ(価格はすべて税込)。
ぎょうざの満洲はこの大きさで、もちもちで、12個入りで637円
1.餃子の王将/12個850円
中華屋チェーンを語る際、外せないのが京都発祥のこのお店だ。大きめの餃子で、食べごたえがある。パリパリの焼き目、キャベツが入った餡の食感が楽しい。大人から子どもまで楽しめる”王道”の餃子だろう。
同店には「餃子のたれ」と「餃子のたれ 柚子風味」があった。筆者は関西出身なのだが、関西の中華屋にはこのような餃子のたれがあるが、東京に来て自分で調味料をあわせてたれをつくるスタイルに驚いた。やはり既存のタレがあると安心する。
セットに卵スープとキムチが付いている。キムチは甘めの旨辛系でこれだけでもご飯がすすむ。餃子12個は多い!という人には、ミディアム9個入で725円もある。
2.大阪王将/12個780円
「餃子の王将」と似た名前だが、全くの別チェーンである「大阪王将」。テーブルには既存の餃子のたれのほか「餃子味噌タレ」もあり、ラー油も高温で炒めた唐辛子を使用した「鉄ラー油」。餃子の王将が王道の中華屋なら、大阪王将は少し趣向を凝らした店だと感じられる。
「餃子定食」という名前だが、しっかり12個入り。餃子は皮のもっちりした面とパリッとした面のコントラストが楽しい。餡は結構しょうがやにんにくなどの薬味が強い印象を受ける。夏の暑い日にぴったりでパクパク食べられた。餃子事態の味が濃いめのためビールやレモンソーダを飲みたくなった。絶対酒にあう。酒が飲みたい。
また同店独自の「味噌タレ」はピリ辛な酢味噌という感じで、餃子の新しい一面を見せてくれた。セットにはスープ(あっさり薄め)が付いてくる。
3.日高屋/12個650円
W餃界隈でよく話題に上がるのが「日高屋」。中華チェーンの中も”ちょい飲み”の場として広く愛されている店だ。同店の大きなポイントは、餃子12個に加え、唐揚げ(2個)かキムチが付いてくるということ。選べるのがうれしい。
日高屋の餃子は、肉汁がじゅわっと染み出す。キャベツなどの野菜が多めでにんにくは控えめ。平日のランチで「餃子食べたいけどこのあとアポがあるんだよな……」という人にぜひオススメしたい。
唐揚げはそれほどでもないが皮がサクサクしているので全然OK。ずっと餃子を食べていたので鶏肉の味が懐かしかった。スープはラーメンと言うより中華そばの汁を薄めた感じで、ネギがシャキシャキしていて愛おしい。
4.ぎょうざの満州/12個637円
「3割うまい!」のキャッチコピーでおなじみ(※「3割”増し”でうまい」の意)の埼玉中心に展開する「ぎょうざの満洲」。驚くべきは価格設定で、餃子12個のW餃子定食が637円で食べられる。ちなみに9個定食は545円、焼き餃子とライスセットは6個442円で食べられる。コスパでいったら最強。価格破壊の域だ。
サイズは大きめで皮はもちもち、焼き目サクサク。一口食べると肉汁が出てくるのが嬉しい。にんにくは控えめだからかキャベツの主張が強めに感じられた。なんというか、実家で母がつくってくれた餃子感がする。つまみというよりご飯の一品。
セットにはわかめの入ったスープと漬物が付いてきた。餃子定食のスープは卵スープ系かラーメンの汁を薄めた系が多いが、同店は強いて言えば後者に近いがどちらでもない気がする。
最安は「福しん」12個570円 素朴な味わいがめちゃくちゃほっとする
5.幸楽苑/12個600円
今年4月から提供となった「幸楽苑」の餃子定食。餃子一人前のシングル定食で500円、W餃で600円。しかも餃子は「餃子極」と、肉・にんにく・ニラ不使用の「ベジタブル餃子」から選ぶことができる。ハーフ&ハーフにすることも可能だ。筆者はハーフを頼んだ。
「餃子極」の肉汁は、肉の甘みが全面に出ていて、「これが極……」となった。豚ひき肉と野菜のバランスがいい。豚肉ってこんなに甘いのね。一方、「ベジタブル餃子」は野菜の甘みが強く、大葉の爽やかさが効いている。
肉の代わりに大豆ミートを使っており、キャベツ、大葉のほか、人参、長芋、しいたけ、玉ねぎ、しょうが、大葉などが入っている。肉の餃子を想像すると肩透かしを食らった気がする。ベジタリアンも楽しめる餃子だが、肉好きの筆者からすれば物足りない。ただ、餃子を食べる罪悪感はなく、健康的になった気がした。
セットでついてきた中華そばみたいなスープも美味しかった。あっさりして味噌汁感覚で飲める。なによりネギとメンマが大量に入っていてよかった。W餃定食のスープは得てして具が少ない傾向にあるが、そんな中この具材の量は嬉しい。
6.リンガーハット/15個590円
本店が長崎にある「リンガーハット」の餃子定食も強い。メニュー名は「ぎょうざ定食」と、”W”がついてないのに、餃子が15個も付いている。九州の餃子はひとくちサイズが多い印象があるが同店の餃子も少し小ぶりで一口で食べられる大きさだ。
皮は薄めだが、米粉をブレンドしており香ばしくパリパリサクサクしている。キャベツのシャキシャキ感もいい感じだ。にんにく不使用だが物足りない感はない。ごはんは少なめなので20代女性の筆者でちょうど満腹。いっぱい食べたい人は大盛り(無料)にした方がいい。
嬉しいのは「柚子胡椒」がついてくること。九州の知人いわく、九州人はあらゆる料理に柚子胡椒を付けたがるほど好きなのだそう。つけて食べるとスパイシーな胡椒とツンと鼻に抜けるゆずの香りがたまらない。ネギの入ったスープと漬物がついてくる。
7.福しん/12個570円
池袋を中心としたラーメンチェーン店「福しん」。特に西武線ユーザーは馴染み深い店ではないだろうか。餃子定食は8個490円、W餃12個570円。価格の安さも特徴だ(筆者はここの手もみラーメン390円が無性に食べたくなるときがある)。
福しんの餃子は小ぶりでシンプル。THE 街の中華屋の餃子といったていで、多分みなさんラーメンとかのお供に頼んでいるんだろうなといったもの。気取らない感じがして、チェーン7店の中で最も安心する味わいだった。
卵の中華スープと漬物が付いてくる。個人的には生中と餃子6つがついた「生ビールセット」(500円)がとてもオススメだ。
以上、東京で食べられるW餃子定食7店を紹介した。筆者が最も印象に残っているのは「大阪王将」。はやく大阪王将で飲みたい。皮はもっちりが好きか薄めが好きか、大きめがいいか小さめがいいか、にんにくの有無など、好みは人によるため順位をつけることはしない。好みの餃子を見つけて、素敵な餃子ライフを送ってください。
W餃子定食まとめ
餃子の王将/12個850円
大阪王将/12個780円
日高屋/12個650円
ぎょうざの満州/12個637円
楽苑/12個600円
リンガーハット/15個590円
福しん/12個570円