自然派ママのこだわりは多岐に渡りますが、多く挙がったのが「白砂糖」や「牛乳」、クッキーなどに含まれる「トランス脂肪酸」、市販のお菓子やジュースです。しかし、子どもが大きくなるにつれ他のお子さんとの交流も始まり、自然派のこだわりを続けることは難しくなります。コメントはこんな批判的な声があふれました。
「人が美味しく頂いてる最中に、白砂糖と小麦粉はウチはたべないわー、体に良くないからー!と、ニョロニョロ言ってくるやつ。黙っとけ」
「義弟のとこが夫婦揃って自然派寄り。さすがにワクチンは打つけど、お菓子駄目、キャラ物駄目、テレビ駄目、手作り至上主義。(中略)顔を合わせたらやんわりうちの子の方針に合わせてくださいねってアピールしてくるからめんどくさい」
子ども同士の集まりでは自然派育児の子がお菓子を食べ過ぎるという声も多数ありました。
「いっつも怒ってるんだけど意地汚いくらい食べるから何だか可哀想……。いつも同じ展開になるから集まりに無理して来なくていいのになとさえ思ってしまう」
「自然派ママの子と他の子1人が遊びに来て、娘と3人で遊んでたんだけど、お菓子出したら自然派ママの子が凄い勢いで食い尽くして驚いた」
ふだん薄味の手作りお菓子を食べ、市販品は止められているため、味の濃いスナックやジュースなどに執着してしまうようです。トピックには、「勝手にやればいいけれど、押し付けてくるのはイヤ」、宗教めいている等と警戒し、面倒くさいと訴える人が相次ぎました。
自然派育児を貫くには現代社会の利便性を捨てる覚悟が必要
米国の小児科医、スーザン・マーケル氏は、『小児科医が教える親子にやさしい自然育児』(2012年/草思社)の中で、
「わたしたちの標準的な食生活は、加工食品、赤身の肉、揚げ物、清涼飲料、生成された炭水化物、食品添加物で構成されています。嘆かわしいとしか言いようがありません」
としています。こうした食生活を続けることで、カロリー過多による肥満、糖尿病、がん、心臓病になる危険性を訴えています。とくに、子どもに白砂糖や人工着色料、香料、保存料などを与えることは、子どもの注意力や思考力・身体の協調、記憶力にも害があると警鐘を鳴らします。
そう言われれば気にならない親はいないでしょう。実は筆者も、子どもが小さいころは添加物や着色料の多いお菓子はできるだけ避け、食事も大抵手作りでした。しかしこれらを貫くには、現代社会の利便性を多少なりとも捨てる覚悟が必要です。しかもそれに興味がない周囲には、話題にしただけで妙な空気に。子どもが大きくなった今は、かなりいい加減になりました。
こうした育児方法の実践は、決して悪いことではないし、本当に命に係わる添加物アレルギーのお子さんもいるので、否定はできません。ただ、自然派育児を指導する人々は、周囲との折り合いのつけ方も含めて広めて頂けるとありがたいのに、と思わずにはいられません。