「流産した日に飲みに行く夫に失望」――落ち込む妻に、「男性だって辛い」と夫を擁護する声も
妊産婦というものは、妊娠中や出産直後に夫が見せた思いやりや、幻滅する言動を一生忘れません。それが流産という悲しい一大事なら尚のこと。
ところが、先日の発言小町に「流産をした当日の夫の行動に失望した」と嘆く妻がいました。「流産当日、飲み会」というタイトルで、トピ主は8か月の娘と9歳上の夫との3人家族。妊娠9週で稽留(けいりゅう)流産と診断され、後日、自然流産しました。
夫は病院に付き添ってくれたものの、そこから出社。すぐに戻ってくるとのことでしたが、19時過ぎ、「友人と飲みに行く」と連絡が入りました。(文:篠原みつき)
「一気にこれから先一緒にいる自信がなくなりました…」
夫は病院で泣いている私の姿を見て、今後の話もしたのに、と信じられない様子のトピ主。「男の人は妊娠できないから、なんて言いますが」とした上で、
「完全流産をいわれた日に飲みに行くということは私が流産したことって旦那にとってはそれくらいのことだったのでしょうか。一気にこれから先一緒にいる自信がなくなりました…」
と嘆いています。
稽留流産とは、赤ちゃんが子宮の中に留まったまま死んでしまっている状態です。実は筆者も2回経験しており、1回目は自然に流れ、2回目は手術をして子宮をきれいにする処置をしました。いずれにしても心身への負担は重く、落ち込むことは確かです。
トピ主の場合、手術はせず出血が始まり、自然流産しました。朝一番で病院に行くと、子宮の中は綺麗との診断です。自宅では安静にしているようにと医師から言われているはずですが、上の子がまだ赤ちゃんですから手が掛かります。何より悲しい気持ちに沈んでいる妻を置いて飲み会に行くとは…と、夫に幻滅してしまうのも無理はありません。
レスには、「残念でしたね」「旦那さんの行動はひどいと思います」などとトピ主を慰める声が寄せられました。
「(乳児を)お風呂に入れることも出来ないし抱き上げるだけでも、おなかに力が入り出血が増えそうで怖いです。(中略)せめてその日は早く帰って欲しかったですね」
「旦那さんは、辛い気持ちを友人に聞いてほしかったのかもしれません」
一方で、冷めた調子で「男なんてそんなもの」「そこまでのことではない」と諭す声も男性や出産経験のある女性からも多数上がっています。
「自分の身体じゃないし、元気そうだし、亡くなったって言っても細胞レベルで人じゃないし、いつまでもメソメソしてる妻わかんねー、また作りゃいいじゃん…的な感じなだけです」
「世の中流産経験者だらけです」と冷静に書いた女性は、自身の流産を明かしたところ、居合わせたママ友10人中8人が流産経験者で、「よくあることよ~」と笑い飛ばされたというエピソードを書き込んでいます。
確かに筆者も、ママ友に流産を明かすと半数くらいが流産経験者でした。とはいえ、何がどれくらいショックかは人によって違うので、トピ主の悲しみを否定することはできません。
しかし、実は一番多いように感じたのは、もう一歩踏み込んで夫を擁護する声でした。
「それは夫も辛かったからじゃないかなぁ?」 「旦那さんは自分の辛い気持ちを友人に聞いてほしかったのかもしれません。自分中心の考えは間違っていますよ」
同じ経験をしたという女性からは、夫に飲みに行った真意を問い正したときの事を、「夫は夫でとても悲しくて、手術当日の私の姿を思い出すのが辛くて、(中略)私にどう接したらいいのかわからなくて飲んで帰ったそうです」と振り返ります。
男性にもそういう弱さがあることを、認めて許す気持ちが必要なのかもしれません。結局本当のところはトピ主の夫にしか分かりませんから、夫婦で本音を話し合うことが何より大切なことでしょう。
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