新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が解除されました。とはいえコロナ終息というわけではなく、”withコロナ時代”としての新しい生活様式が求められているのが現状です。
そんな中での”婚活”はどうすればいいのでしょう。民間の調査によると新型コロナで婚活に影響が出たという人は88%。28歳女性の筆者も婚活中ではありますが、外出自粛のため新しく誰とも会っていません。
外出自粛下では「オンライン飲み」が流行しました。一方で、「オンラインお見合い」を提供する婚活サービスも次々出ています。
今までお見合いと言えば対面でしたが、withコロナ時代、そうとも言えません。”オンライン”がスタンダードになる可能性もあります。今回は実際に経験した感想、またオンラインお見合いのメリットとデメリットをお伝えしていきます。(文:市ヶ谷市子)
Zoomを使って50分フリートーク
筆者が利用したのは、オンライン結婚相談所サービス「naco-do」。現在、期間限定で「オンラインお見合い」を実施しており、登録や日程調整、お見合いまでを一貫してネットで行うことができます。
サービス利用には独身証明書や卒業証明書が必要なのですが、代理取得もしてもらえるので役所などを訪ねる手間もかからず非常に楽でした。料金は月額4000円(1年間プランの場合。1か月ごとだと9800円)から利用でき、成婚料は0円。
naco-doは日本結婚相談協会(JBA)に加盟していて、同協会に参加する他の結構相談所の会員とお見合いができる「JBAのお相手紹介システムおあいてネット」も利用できます。コスパがいい。
毎日お相手が紹介されるだけでなく、検索システムから探すこともできます。そこからお見合い希望を送ったり送られたりして、マッチ後に日程を調整。いざ本番に臨みます。
お見合いはZoomで行います。最初は筆者、お相手男性、スタッフの3人でビデオ通話です。その後、50分のフリートークに入り、スタッフは顔出しもせず、こちらの会話も聞かないとのこと。
40分経過するとスタッフから男性側に「あと10分です」、終わる頃になると両者に「そろそろお時間です」というチャットが入ります。時間になるとスタッフが通話に戻り、「お見合いの結果は各担当者に伝えて」といった連絡をして、お開きです。
お見合いなので、お互い印象がよくて次も会いたい、となれば「交際期間」に入るんですね。スピーディー。
初対面のオンライン雑談は難しい? 工夫が必要かも
オンラインお見合いを実際にやって、個人的によかったと思うのは以下の3つでした。
メリット1:家から出なくていい
通常のお見合いだと、お見合い時間より移動時間のほうが多いということも有りえます。また移動中にメイクや髪が崩れるのでお会いする前に一度お手洗いに行きたいところですが、オンラインだとそれがない。
ビデオ通話なので、事前に自分が一番よく見える角度にカメラを設定することができるので、対面で会うより盛れるように思えます。何にせよ一番自信を持てる自分で臨めるのはいいですね。
メリット2:初対面の人に会わずに空気感がわかる
筆者は初対面の人と会うのは非常に緊張します。なので、慣れた自宅で画面越しの会話は緊張感が薄れます。会話のテンポが合うな、この人だったら一緒にこういうことをすると楽しいんじゃないかななどがわかるので、次に会う時のハードルが下がります。
人見知りやコミュ障だったりする人は、会う前に一度オンラインの会話をはさむのは非常に良いのではないでしょうか。
メリット3:時間制限があるのでダラダラ会話がない
筆者は一度、店舗型の結婚相談所に登録したことがあるのですが、その際もスタッフから「初回デートは1時間程度のお茶で」と言われていました。オンライン面談だとスタッフがタイムキーピングを行い、連絡をくれました。
残り10分ですと告知されたら「最後にこれだけは聞いておきたい!」ということも口にしやすいですもんね。
一方、デメリットは以下の3つ。
デメリット1:部屋を綺麗にする必要がある
自宅で行うオンラインお見合いは、自分のパーソナルな空間の中で行います。友人とオンライン飲みをするなら気にしなくてもいいのですが、初対面の異性とビデオ通話となると、やはり部屋の散らかりが気になります。
例えば、筆者はテーブルでビデオ通話をすると、背後にぬいぐるみやアーティストのカレンダー、メガネケースや日焼け止めを詰め込んだ箱などが映ります。部屋全体を綺麗にする必要はないのですが、ちょっとまだ見せたくないものは事前に片付けたほうがよさそうです。
デメリット2:初対面での雑談は難しい
オンラインお見合いは50分フリートーク。ネットだとタイムラグも多少あり、会話のテンポが掴みにくいです。通常、会話だと「○○した時に」「○○って何?」など横入りしても気になりませんが、オンラインでそれをやると割って入った感が強く、気が引けてしまいます。
そのため会話の1回の分量が多く、おしゃべりというか”少し長めのLINE”でやりとりをしている感じになりました。例えば喫茶店で会っていたら「このケーキ美味しいですね」「さっき隣に座っていた人って」など話題が増えます。
それがないので、お見合いのプロフィールで気になったところや共通点などを探して話していたのですが、ちょっとした”面接”感は拭いきれませんでした。あと会話が終わったときの空白に緊張しました。
デメリット3:結局、どんな人かは会わないとわからない
実際に会う前にどんな人なのか、どんな話し方をする人なのかがわかるのがオンラインお見合いのいいところです。しかし、交際・結婚をするとなると、大切になってくるのは一緒にいるときの空気感です。
となると、やはり会ってみなくては分からない。オンラインお見合いで「とても素敵な人だなあ」と思っても、実際会ったら印象が違ったというのもあると思います。何せ私も、カメラ位置を目線より少し高くして、ライティング整えて臨んでいたので……。
最終的にはやはり実際に会わなければわかりません。それでもオンラインお見合いは、前段階の「この人良さそうだな」から「実際に会ってみよう」までの間の、相手がどんな人なのかの解像度をぐんと上げることができます。
前述の通り、移動時間もないので時間の節約にもなります(「会うのが楽しみだな」というドキドキも楽しいのも十分承知しておりますが)。空いた時間でサクッと婚活をしたい人には、オンラインお見合いが向いているのではないでしょうか。
私も、今後は実際に会う前に、オンラインで会話をしてから会いたいなと思いました。近いうちに新型コロナの第二波、第三波が来ることが予想されます。”会う人を減らす”のも立派な対策。withコロナ時代にオンラインお見合いは、非常に有効と言えるのではないでしょうか。