かつてサラリーマンの多くが年収1000万円を目標にしていた。昔はそれだけあれば豊かに暮らせたのだろう。茨城県の50代前半の男性(事務・管理)も、以前は年収が1100万円あったと打ち明けた。しかし豊かとは言えない暮らしぶりだったようだ。
当時の男性は40歳代前半で、妻、二人の子ども、義母と関東の田園地域に住んでいた。10年前は今ほど物価が高くなかったが、男性の場合、子育てに加えて介護の負担が大きかったようだ。(文:天音琴葉)
「もちろん教育資金は貯蓄していましたが、全然間に合いませんでした」
義母が認知症で介護が必要だった。しかし実の娘である妻はパーキンソン病を患っていることから、自宅介護はできず介護施設へ預けることに。
「当時月15万円を施設費に、子ども二人は公立高校に通っており、まあまあおカネはかかる、自宅のローンもあり、キツかったです」
そんな男性に追い討ちをかけるかのように、1人の子どもが東京の私立大学へ進学することに。距離があるため実家を出たのだが……
「学費と生活費の仕送りにより、いよいよピンチに。もちろん教育資金は貯蓄していましたが、義母のこともあり、全然間に合いませんでした。もう無理、ということで学費ローンも組み、住宅ローンとダブルローンになってしまいました」
その後、男性は50歳を過ぎて転職した。子育てが終わったことで、心機一転と考えたのだろうか。現在は国家公務員として働いているそうだ。
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