何度も「30過ぎて仕送りは勘弁してほしい、ヘアサロンを辞めて自活できる仕事をして欲しい」と言っているが、妻も娘も全く聞く耳を持たない。放っておくと他人に迷惑をかけるため、仕送りを続けていると綴っている。
おまけに妻は欲しい物をどんどん買ってしまう散財癖があり、クレカの支払いで苦労した経験も。このままでは息子の大学費用や老後も心配だと貯蓄の重要性を説くものの、まともに取り合ってもらえないそうだ。ストレスから月に1度くらい大声で怒鳴ってしまうため家族に嫌われ、息子は軽蔑しきった眼で見てくると嘆いている。
「私としては『これ以上はできない』というぐらい気を使って一生懸命やっているのですが、(中略)私が居間に行くと家族が2階に上がり、一人で食事を作って食べていると悲しくなります」
などと悲惨な状況を訴えている。それでも、自分がいなくなったら家族が経済的にひっ迫するので離婚する気はないという。困惑しきりでアドバイスを求めていた。
家族のためを思えばこそ辛い労働にも耐えられるものを、家族は父親が大嫌い。専業主婦の妻は夫の食事すら用意していない様子だ。心身ともにいつまでその生活に耐えられるのか、誰がどう見ても危険な状態だ。
「男は一家の大黒柱たるべき」という思いに囚われているのでは
この相談には妻や娘への批判はもちろん、男性に対しては同情より説教のような回答が多く寄せられた。
「バカバカしい。仕送りをやめてクレジットカードの使用を止めればいいではないでしょうか?」
「はっきり言えばあなたの甘やかしがもたらした結果」
50歳で2年前からのローンも驚く、離婚しないといっても贅沢に慣れた彼女たちは、あなたが死んだあとどうなる?など、相談者自身も見通しが甘く経済的な家庭崩壊は時間の問題だと諭す声が多かった。
筆者も、娘は父親に開業資金を返済していくべきだし、自分で家賃も払えないようなら店を続けるの
もどうかと思う。30歳の子どもへの養育義務はないし、浪費癖のある妻に自由に買い物させているのも問題だろう。一番優先すべきは息子の教育資金だが、このままでは奨学金という借金を背負うことになる。
しかし相談者の「離婚しない意思」は固く、無策で自分だけ苦労している様は気の毒ではあるが“好きでやっている”ようにしか見えない。相談者は回答に真面目に答えるなど実直な性格がうかがえたが、愚痴を聞いてもらいたいだけのようでもあった。
ほぼ同年代の筆者が思うに、相談者はこれまで仕事ばかりで家族との楽しい交流がほとんど無いうえに、「男たるもの一家の大黒柱であるべき」「家族には弱い所を見せられない」という意識があるのではないだろうか。男女平等が叫ばれ男性の家事育児参加が求められる世の中だが、一方でそうした「男らしさ」の呪縛もまだまだ根強いのだと感じる。
大声で怒鳴れば子どもはますます遠ざかっていく。相談者は、いっそ家族の前で泣いてみたら?と筆者は言いたい。