菅氏は、消費税増税を肯定したことについて改めて聞かれると、「引き上げると発言しない方が良いだろうと思いましたけれども」と前置きした上で、次のように答えた。
「しかしこれだけの少子高齢化社会、どんなに私ども頑張っても人口減少は避けることできませんから。そうした中で、将来的なことを考えたら、やはり行政改革は徹底して行った上で、国民の皆さんにお願いをして、消費税は引き上げざるを得ないのかなということを率直にマルにしました」
これに対して視聴者からはネット上で、「菅さんは消費税上げるのか……」「寝てる国会議員減らしてからな」「更なる増税とは全く考えられない」など、増税に対する衝撃や反発の声が上がった。各メディアもこれを報道しツイッターで拡散されると、「消費税」「消費増税」がトレンド入りするなど大きな反響を呼んでいる。
ツイッター上では、消費税導入から段階的に法人税が減税されてきたことを指摘する声も多い。日本共産党の宮本徹衆議院議員は、
「ちょっと待ってほしい。消費税を何度も引き上げたが国の税収は消費税が3%だった30年前と変わっていない。大企業減税の富裕層減税が大きな原因です。税負担を求める方向が間違っています。」
などとツイートし、多数リツートされている。今後ますますの消費の先細り、経済の悪化、少子化を心配する悲鳴のような声も数多くみられた。元2ちゃんねる管理人のひろゆき氏も「自民党って日本を不景気にし続けるための密命とか帯びてるの?」とツイートしていた。
番組解説員は「意外だった」と菅氏を評価
番組では、解説員の滝田洋一氏や山川龍雄氏が、菅官房長官だけが消費増税に賛成したことに「意外だった」と声を揃えた。滝田氏は、菅氏が「少子高齢化という今抱えている問題を直視せざるを得ないと打ち出した」とし、他の両氏はコロナ不況の中それを口に出せない難しさを感じたという。
山川氏は、自身は増税論者ではないが、「是非はともかく歯切れがいい」とし、改革を進める力強さを評価。岸田氏が「△」を出したことについては、「最近”財政再建派”のレッテルを貼られてることを少し意識なさっている」と印象を語った。
三人の意見が割れたことについては、ツイッター上で、「三角を出した両氏こそパフォーマンスでは」と疑う意見もあった。テレビだけで本音は分からないが、良くも悪くも菅氏の自信が表に出た番組だったと言えそうだ。
11日の会見では「今後10年ぐらい上げる必要はない」とする主旨の発言もしていたが、新型コロナウィルスの影響で収入が激減した人が多い中、消費税減税が叫ばれることもあっただけに、今回の発言に衝撃を受けた人は少なくないだろう。