アフターコロナで進化するオールアバウト「オフィスを基点に社員が活躍できる環境に」 | キャリコネニュース
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アフターコロナで進化するオールアバウト「オフィスを基点に社員が活躍できる環境に」

株式会社オールアバウト代表取締役社長兼グループCEOの江幡 哲也さん

日本最大級の総合情報サイト「All About」を運営する株式会社オールアバウトを筆頭に、インターネットを介したサービスを多数手がけるオールアバウトグループは2021年6月に本社を移転した。それと同時に自社の映像配信スタジオを構え、新たな価値創造に尽力する。

新オフィスのコンセプトは「アフターコロナで進化するオフィス」。社員の働きやすさに対する最適解を模索したオフィスとは。株式会社オールアバウト代表取締役社長兼グループCEOの江幡 哲也さんに伺った。(文:千葉郁美)

ポストコロナのワークスペースを前提としたオフィス移転

創業21年を迎えたオールアバウトは長年にわたり東京・恵比寿に居を構える。今回で6回目となるオフィス移転だが、オンラインとオフラインの働き方の最適解を見出す構想は、新型コロナウイルス感染症の影響により世の中が大きく変化を始めた頃にあった。

「コロナの足音が聞こえてきた2020年2月、社員の健康第一ということでグループ全社において原則出社禁止、リモートワークを徹底しました。その後の出社率は20%程度で、多くても50名程度、少なければ10人という日もあります」(江幡さん)

コロナ禍によって働き方の常識は大きく変わった。ニューノーマル、ポストコロナと呼ばれる「新しい生活様式」へと人々の意識が変わってきた中で、「いかにして、これからの働き方や働きやすさを支えるオフィスを作るか。それを常に考えていた」と江幡さんはいう。

「コロナ禍を経験し、働き方の多様性に対応できるオフィスの必要性を感じました。会社で働く、リモートで働く、そして今後はワーケーションのような、非日常の環境で働くという手段もあり得ます。働く場所のファーストプレイスが会社、セカンドプレイスが自宅、サードプレイスが非日常の場所となっていく。この3つを組み合わせていい働き方を作っていくのかなと思っています」(江幡さん)

リモートワークとオフィスワーク双方が働きやすい環境に

エントランスには特徴的なオープンキッチンを備えたパブリックスペースがあり、緑と木材が調和する洗練された雰囲気の新オフィスは、建築好きの江幡さん自ら設計し創り上げた。

コロナ禍においてのオフィス移転は「規模の縮小」という方向で実行する企業も少なくないが、オールアバウトはオフィスの規模は変わらずに「内容を変える」ことに重点を置く。

「移転に際して現場社員によるプロジェクトを作り、今後どのような働き方が想定されるか、取り入れるべき仕組みについて検討しました」(江幡さん)

オフィス内はガラス張りの社長室や解放的なワークスペースのほかに、ポストコロナの働き方にフィットした仕組みが散りばめられている。

「現場からの声の一つには、リモートワーカーとオフィスワーカーとが執務スペースでリモート通話をしていると周囲に迷惑がかかるということで、話しやすい部屋が必要だという声がありました。そういった個別のオンライン会議用ボックスのような部屋を数十部屋設置しています」(江幡さん)

また、1on1のミーティングがしやすい小規模のブースを随所に設置。これは社員の出社理由が「上司とのミーティングのため」という声が多かったための配慮だ。

「リモートワークとオフィスワークを組み合わせた仕事の仕方が定着していく中で必要となる仕様をふんだんに取り入れました。一方で、オフィスに入ってすぐのオープンキッチンではEコマースサイトで販売するミールキットの試食会を行うなど、”オフィスでなければできないこと”も実施しています。出社する意味があるオフィス、というのも今回の設計のメインです」(江幡さん)

オフィスの向かいに本格的なスタジオを完備。映像コンテンツ制作も

オールアバウトは新オフィスの移転に伴って撮影スタジオも新設した。コロナ禍によるリアルイベントのオンライン化や昨今の動画コンテンツのニーズの高まりを受け、オールアバウトグループ各社の仕事の仕方にも変化が生まれ、動画撮影ができる本格的なスタジオの必要性が高まっていたという。

「オフィスの道を挟んで向かい側に、高品質な動画を内製できるスタジオを新設しました。コントロール室もあり、専用回線を引いているため遅延なく配信できます」(江幡さん)

スタジオは設立当初こそ高稼働率を望めないと考えていたが、蓋を開けてみると60%の稼働率がある。グループ各社で動画コンテンツの作成やオンラインイベントの開催、営業活動において使用するウェビナーの撮影などが日々行われている。

「きっかけこそコロナ禍という部分がありますが、いずれはやろうと思っていたことがこのタイミングになりました。コロナ禍が終わったとしても、こういったオンラインのワークフローは続くと思います。リアルイベントとオンラインイベントの両方が過去よりも増えていくでしょう。それにきっちりと対応していきたいですね」(江幡さん)

リモートワークの普及によって「会社」という場所の価値観が揺らいでいる昨今。相対してオールアバウトのオフィスは「オフィスに来ると仕事がはかどる、楽しい」と思える、社員にとって唯一無二のファーストプレイスだ。

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