AI企業のセカンドサイトアナリティカが「データ分析」と「コンサルティング」を両立できる人材を求める理由 | キャリコネニュース
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AI企業のセカンドサイトアナリティカが「データ分析」と「コンサルティング」を両立できる人材を求める理由

(右から)セカンドサイトアナリティカ代表取締役社長の高山博和氏、管理本部の奥野優氏

(右から)セカンドサイトアナリティカ代表取締役社長の高山博和氏、管理本部の奥野優氏

千里眼や透視能力を意味する「セカンドサイト」を社名に掲げ、データ分析を用いたコンサルティングやAI(人工知能)導入支援を行うセカンドサイトアナリティカ。2016年に創業、2022年4月に東証グロース市場への上場を果たし、業容拡大に向けて積極的に採用を行っています。

求める人材はデータ分析を専門とするだけでなく、コンサルティング能力をもち、ビジネス戦略の実現につながるデータ分析と機械学習モデル作成ができる人材。その意図はどのようなものなのか。代表取締役社長の高山博和氏と、管理本部の奥野優氏に話を聞きました。(聞き手・文:水野香央里)

あくまでも「お客さまの課題解決」にこだわる

事業計画及び成長可能性に関する事項(2023年6月12日)より

事業計画及び成長可能性に関する事項(2023年6月12日)より

――御社はいまどのような事業を行なっていますか。

奥野 当社は「データから、新たな価値を。」を経営理念に、お客さまが保有するデータを基に、人工知能技術や統計解析技術を用いて、課題の発見や抽出からAIの開発・導入、最終的な課題解決まで一気通貫でサービスを提供しています。

現在は2つの事業を行っており、売上高はほぼ半々です。ひとつめは、カスタムメイド型データ分析主体の「アナリティクスコンサルティング事業」で、データ分析のコンサルティング・アドバイザリと、機械学習(AI)モデルの構築支援を行っています。

データ分析のコンサルティング・アドバイザリは、データを持っているがどう活用していいか分からないというお客さまに、当社がデータを用いて課題の抽出、設計から入り、解決策の提示までをやる、時にはアドバイザリーで入るというものです。

機械学習モデルの構築支援は、お客さまがデータを持っており、かつやりたいことが明確にあるような場合に、機械学習(AI)モデルを構築し、導入支援するサービスになります。

そして、それらのコンサルティングで培った技術やノウハウを応用した事業が「AIプロダクト事業」で、カスタムメイド型AIパッケージの導入や、SaaS等による拡販型AIプロダクトの提供を行っています。

例えば、ある金融機関のお客さまでは、与信判断や決済などの不正検知に当社のAIを活用しています。なお、AIプロダクト事業はフロー型中心のコンサルティング事業とは異なり、ストック型中心のビジネスですので、今後はAIプロダクト事業の比率を拡大していく方針となっております。

――御社が他社と異なる特徴はありますか。

高山 一番の特徴は「お客さまの課題解決」にこだわっているところですね。AIの導入はあくまでも手段のひとつであり、データからいかに価値を生み出して、お客さまのビジネス課題の解決に貢献できるのかを考えながら事業運営を行なっています。

もうひとつは「アカデミアとの密な連携」で、京都大学の教授など統計・機械学習のプロフェッショナルに技術顧問になっていただき、先進技術の基礎研究やデータサイエンス人材の育成、社会実装のための知見提供を支援してもらっています。

「3つのスキル」を兼ね備えた人材が理想

――現在どのような人材採用に注力していますか。

奥野 主に経験者の中途採用です。現在社員は40名ほどですが、ほぼ全てが中途採用で、当面は即戦力となる人材を中心に獲得し、持続的に成長していくための人材採用を強化しているところです。

当社は2022年4月に東証グロース市場に上場しましたが、上場の主な目的の1つが人材採用を促進するための信用力や知名度の向上でした。人材確保は今後の成長、収益拡大につながりますので、いままさに先行投資を行っているところです。

――どのような経験者を求めていますか。

高山 先ほども言った通り、お客さまの課題解決にこだわる会社ですので、まずはお客さまのビジネスを理解し、課題の抽出ができる「コンサルティング能力」を持った方を求めています。

さらに、AIモデルを構築するうえで必要となる機械学習や統計解析などの「データサイエンス」の知識や、実際にモデル構築するための「ITリテラシー」があると理想的です。

現時点で3つ揃っていない方でも、例えば3つのうち2つのスキルを持っている方には、入社後に残り1つを磨いてもらうこともできますし、自分から積極的にスキル向上を目指して勉強していくことができる方であれば、ポテンシャルを見て採用することも行なっております。

――3つのスキルを、ひとりが兼ね備えているのが理想なのですね。

高山 当社では、あえて1人の人間に詰め込むことにこだわっています。社員には、R&D(研究開発)を積極的に行うAIベンチャーと同レベルのデータサイエンスの知識を持ちながら、その知識をお客さまに対する価値に落とし込むビジネスコンサルティングまでできるプロフェッショナルになってもらいたいと考えています。

まずは「データ分析が大好き」な人がいい

――入社後の研修もあるということですね。

奥野 初めから3つの能力を備えるのはなかなか難しいので、入社後のトレーニングはしっかりと行なっていきます。数週間でデータサイエンティストの基礎的な知識が得られるドリルなど独自のトレーニングツールは順次揃えていますし、OJTも行います。

社内での勉強会も活発で、案件事例や技術情報の共有なども行なっています。採用の現場でも求める水準の人材にはなかなか出会えませんが、社員にはそれだけ価値の高い人材になってもらいたいと考えています。

――求める人物像のようなものはありますか。

高山 まずは「データ分析が大好き」で、さらにそれを「お客さまにとっての価値に落とし込みたい、課題解決に使いたい」という思いを持った方ですね。課題から目を逸らさずにいれば、実は高度なデータ分析をする必要がない場合もあるからです。

確かに当社の強みはデータアナリティクスですし、実際に高度なデータ分析やAIの技術を使うことでうまくいくことも多いですが、基本にあるのは「お客さまのビジネスの課題を解決したい」という思いです。そのために当社の強みである技術を、ツールとして使っているわけです。

純粋なデータアナリティクス案件ばかりを扱っている会社は、実はそこまで多くありません。でも当社は本当にその領域しかやっていないので、確実にデータを触れて、分析ができるところに喜びを感じられる方であれば楽しい仕事だと思います。

常に「お客さまの課題解決」に目線を合わせつつも、やっぱりデータを触るのが大好き、という方であれば、入社してからでも問題なくキャッチアップできると思います。

データ分析で何十億円もの収益改善につながる可能性も

事業計画及び成長可能性に関する事項(2023年6月12日)より

事業計画及び成長可能性に関する事項(2023年6月12日)より

――人材の採用促進や定着のために行っている施策はありますか。

奥野 知名度がまだまだ足りないなと感じているので、情報発信に力を入れています。採用サイトをリニューアルし、どういった会社でどういう事業を行ない、働きやすさはどうか、など応募者に向けた情報充実を図っているところです。

採用サイトには、中途入社した方のインタビューを掲載していますが、入社前後のギャップを減らす取り組みも行っています。採用段階から「ミスマッチを防ぐ」ことが非常に重要だと考えていて、選考の最後には必ず社長の高山と話す機会を設け、トップの考えや会社全体の取り組みなどを話してもらっています。

高山 選考についても色々なパターンを用意していて、実際に模擬プロジェクトをやってもらったり、社内の仕事をイメージしてもらうために社員との面談や座談会のような場を設けたりすることもあります。業務内容だけではなく、当社で働く人の雰囲気や互いの人となりが見えるようにしたいと考えています。

――事業領域の成長性についてはどうお考えですか。

高山 AIビジネス市場は国内だけでも2027年度には約2兆円にまで拡大すると予想されていますが(富士キメラ総研調べ)、今後も大手企業を中心としたAI開発や活用に対する投資は続くものと考えています。

例えば大手銀行や通信キャリアなどにおいては、与信モデルを変えるだけで何十億円という収益改善につながるケースなど、さまざまな可能性がありますが、このような形でビジネスに大きな価値を与えるデータ分析やAI活用が今度進んでいくと考えています。

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