杉田議員の主張は、「新潮45」8月号の特集「日本を不幸にする朝日新聞」の中に掲載された。「『LGBT支援』の度が過ぎる」というタイトルで、「差別ってされているものでしょうか」、「子どもを産まないLGBTの人達に税金を使うことは、同意を得られるのか」といった疑問や持論を展開していた。
党内外から問題視する声が上がる中、二階幹事長が事実上の容認姿勢を見せたことに憤るのは、ツイッターで杉田議員の寄稿内容を指摘した、立憲民主党の尾辻かな子衆議院議員だ。尾辻議員はキャリコネニュースの取材に対し、
「杉田議員は比例単独候補であり、党が公認した責任は大きいです。にも関わらず『人それぞれ政治的立場、いろんな人生観、考えがある』と不問に付す態度は、党として杉田発言を容認したことと同じです」
と憤慨する。
「党の2017衆議院選挙の公約『性的指向・性自認に関する広く正しい理解の増進を目的とした議員立法の制定を目指すとともに、各省庁が連携して取り組むべき施策を推進し、多様性を受け入れていく社会の実現を図ります』とも食い違いがあります。自民党がLGBTの理解増進を図るならば、杉田議員から事情聴取、本人、党、両者で対応を協議し、党として処分を検討すべきです。杉田議員自身は会見もされておらず、説明責任を果たしていません」
同じく立憲民主党の蓮舫参議院議員はツイッターで、二階氏の発言に「人権のはきちがいであり、単なる『無知』を堂々と晒した政治家は不要だと何故叱責しないのか」と言及。共産党の小池晃書紀局長も、「これは『人生観』ではなく人権問題。容認するなら自民党も同レベルということで、国際的にも断罪されるでしょう」と、強い言葉で批判していた。
勝間和代「個人の見解として容認する自民党に大変な失望感を覚えている」
議員だけでなく、著名人からの落胆も大きい。同性愛を公表している経済評論家の勝間和代さんは25日、自身のブログで二階幹事長の発言に触れた。杉田議員の寄稿内容に問題があることを踏まえた上で、
「誤った論調を助長しかねない論考に対し、政権与党であり、LGBTの理解促進法を作ろうとしている自民党がなぜ、容認するのか」
「(杉田議員の)このような発言を個人の見解として容認する自民党に大変な失望感を覚えています」
と疑問を呈している。