総務省のデータを元に試算したところ、消費税が10%に上がった場合、1年間に取られる消費税の額は1か月分の所得に相当するとしている。「誰かの消費は誰かの所得」であるため、デフレ脱却のためには多くの人がお金を使わなければいけないと主張し、消費喚起のための消費税廃止を訴えた。
「今の世の中を壊し続けている諸悪の根源、経団連が、これまでも政治に対して要望という名の命令をしている。2025年までに消費税を19%まで上げろって言っているんですよ。頭湧いてんのかって思いません皆さん?」
「中小企業、零細企業の首が締まるようなことをすれば当然、この国に生きる多くの人の首を締めているのと同じじゃないですか。消費税を止めることこそが、景気回復の道でしか無いと思いませんか?」
と山本氏が語りかけると、聴衆からは一際大きな「そうだー!」という声が挙がった。
れいわ新選組は消費税を廃止した場合、失われる20兆円を税金と新規国債の発行で補うと主張。税金は消費税導入前の形に戻すことを基本形としている。所得税は最高税率を撤廃。法人税は、大企業に適用されている割り引きを廃止し、累進課税制の適用を検討している。試算によると、この税制改革で29兆円の財源が確保できるという。余剰の9兆円は奨学金徳政令に活用する予定だ。
20代女性「今までは“まし”なところに投票していた。今回は絶対ここがいいって思った」
演説を聞きに集まった人たちは、れいわ新選組に高い期待を持っていた。20代の会社員女性は「今までの選挙では、ここに入れたいからというより、ここが一番ましだからと入れていた。ネットで偶然れいわ新選組の動画を見て、刺さるものがあって、今回は絶対ここがいいって思った」と話す。20代の男性会社員は、
「消費税廃止は、財源の部分もしっかり宣言して動こうとしているのが響いた。実は既に期日前投票を済ませている。これまでは正直興味がなかったので会社に流されて投票していたが、今回は自分の意思で山本さんの名前を書いた」
と明かした。奨学金徳政令への注目度も高い。
「会社の同期が300万円の奨学金を借りていて、『返さなきゃいけないからしばらくお金ないんだよ』と言っている。返す間は消費が出来なくなり、企業に流れるお金が減ってしまう。それは良くないと思う」
れいわ新選組の演説を聞くのは今日で2回目という50代の男性会社員は、「最後の希望」と表現する。今まで野党を中心に投票してきたが、当初、れいわ新選組に興味はなく、むしろ「政治の場に関係したことのない人たちが立候補するということで、野党の票が分かれてしまうように感じていた」という。
「でも、友人たちのSNSの投稿や声を聞いているうち、そうではないかもしれないと感じるようになった。れいわ新選組からは、自分たちが社会を変えていくという気概を感じる」
応援には、映画監督の森達也さんや落語家の立川談四楼さん、作家の雨宮処凛さんらが駆けつけた。演説の最後には「れいわ、れいわ」とれいわコールが鳴り響き、候補者らとの記念撮影には、長蛇の列が出来ていた。