国民一人につき10万円が支給される特別定額給付金だが、その価値は懐事情に左右されやすいようだ。広島県のメーカー系企業に勤務する30代男性は「お金には困ってない」と前置きした上で、10万円の使い道については、
「外食する際の常連だった店などに使いたい」
といった声をキャリコネニュースに寄せている。北海道で事務・管理職をする30代男性も、「私自身はお金には困っていません。給付金の全額を趣味に注ぎ込みました」という。とはいえ、
「本当に困っている家庭は、10万円では足りないのでは? と思わなくもありません」
とも綴っている。では実際に生活が苦しいという人たちは、給付金の使い道についてどう思っているのだろうか。(文:鹿賀大資)
「給付金はすべて”税金の支払い”に消えた」
千葉県で派遣社員として事務・管理職をする40代女性は、「家族4人で10万円ずつもらっても、借金の返済でなくなってしまいます」という。ほかにも、
「全額税金で国に支払いました。意味が無いと思います」(京都府/50代男性/派遣社員)
「給付時期と住民税の引き落としが同時期かつ同額以上のため、全く恩恵を受けた気がしない」(東京都/30代女性/IT・通信系)
という声が相次いだ。東京都でパート・アルバイトをする70代男性は、税金などの詳細について明かす。2万円の固定資産税のほか、3万4500円の自動車税も重なった。10万円の支給はまだこれからだが、「ほぼすべて税金で徴収されます」という。さらに、
「自賠責保険代が3万7000円、任意保険代が5万7000円、そして車検費用が12万円」
と自動車維持費用の支払いも集中している。10万円は車検費用だけで軽く吹っ飛ぶため、とても恩恵どころではなさそうだ。
「会社の固定資産税は待ってもらえるのに、個人宅は待ったなし」
サービス系の会社で正社員として勤務する、大阪府の30代女性も家計は火の車だ。女性の会社はコロナ禍による利益減で、6月も休業を余儀なくされている。仕事復帰の見通しも立たず、女性の給料は半分以下になった。給付金の使い道については、
「固定資産税の支払いです。残りはカードの引き落とし代になるかと。生活費が足りず、その間にカードで支払っていましたから。会社の固定資産税なんかは待ってもらえるのに、個人宅は待ったなしというのが、はじめから腑に落ちません。ちなみに肝心の10万円は、まだ支給されていません……」
と憤る。これらを踏まえた上で、
「政府の皆さんも頑張ってはいると思いますが、一般庶民の金銭事情や生活の困窮度合いなどは本当にわかっているのでしょうか? ちなみにマスクもまだ届いていませんよ。そんなものに何百億と使うくらいなら、もっと支援してください。そして、早く10万円を支給してください!」
と訴えている。
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