一度パチンコにハマってしまうと、なかなか抜け出すことはできない。僕は2004年からパチンコホールに出入りしているけど、途中で興味がなくなったことも何度かあって、実は1~2年のブランクも経験している。
でも、ちょっとしたらまた遊ぶようになっているわけで、結局のところ完全にパチンコ断ちはできていない。月に5回とか6回とか行くこともあって、我ながら「このペースはちょっと多いのでは」と心配になる。
これまで、パチンコのせいで人生が狂った人を何人も見てきた。土下座しつつ「お金貸して」って言ってきた知人を見たこともあるし、パチンコのせいで離婚した人も知っている。明日は我が身と思って、僕も気を付けているところだ。
そして今、このコラムを読んでいる人の中にもきっと「パチンコ依存症になっちゃった」って人もいるだろう。今回はそういう人たちのために、いいスレッドを紹介したい。(文:松本ミゾレ)
「禁煙になったら行かなくなった」「借金手前まで行って我に返った」という人も
5ちゃんねるに先日「パチンコ辞められたやつww」というスレッドが立っていた。スレッドには、パチンコをしていたものの、辞めることに成功した(っていうか現時点ではやらずに済んでいる小康状態の人)という人たちの書き込みが多い。
「借金手前まで行って我に返った」
「ヤニカスやから禁煙になったら行かなくなった」
「一番いいのは引っ越しだな。マイホール(編注:行きつけの店のこと)から離れたらめんどくさくなってやめた」
「大負けした日の帰り原付きで海沿い走りながら叫んでたら喉切れて血吐いてから辞めれた」
こんな感じで、辞めた理由はさまざまだ。ただ本当に辞めたんだったら、ネット掲示板でわざわざ「パチンコ」という単語の入ったスレッドを閲覧したりはしないだろう。
僕の経験からすると、パチンコってやっぱり脳内麻薬が出る遊びなので、一時的に辞めたと思っていても、ちょっとした隙間時間で遊ぶとまたそこから……ってことはある。つまり、この点に限って言えば、例えは悪いけど覚せい剤とかと同じなのだ。
パチンコをする前の状態には戻れないけど、自制心とか、たまたまパチンコができない状態をしばらく維持すると平気に思える。だけど、ちょっとでも再開しちゃうと、また……みたいな人が多い。僕もそうだ。
パチンコよりも「強烈なギャンブル」を趣味に持てば……
ただ、スレッドを読み込んでいくと「ああ、たしかにそれならパチンコなんか一発で辞められるね」と思えるアドバイスもあった。それが株や仮想通貨に手を出すというものだ。
これを挙げて「パチンコ辞めた」という書き込みはいくつもあった。そりゃそうだ。脳内麻薬の分泌量が段違いだろう。あとはオンラインカジノとかも、この範疇か。
当然これらは場合によってはパチンコ以上に身を崩すリスクもあり。結果的には「パチンコ辞めない方が良かったんじゃないすか」って感じてしまう人もいるだろう。実際、オンカジで破滅した知り合いもいる。
刺激的な趣味を辞めたいなら、もっと刺激的な趣味に手を染めるのが一番……ってのも、人間の業の深さを感じさせる。僕はパチンコをわざわざ「辞めるぞ!」って宣言する人ほど、それができない印象を持っている。「別に辞める必要がない」と普段から言っている人の方が遊び方が綺麗というか、安易に5万も6万も突っ込まないんだよね。
やっぱりガチで年間100万円くらい負けてる友人を見てると、パチンコ屋に行く頻度がまず高いし、毎回数万円使うもん。男らしいなぁとは思うけど、こういうヘビー・ジャンキー・ユーザーほど「もうパチンコ辞めた」って言う頻度は高い。
「パチンコを辞めたい」とか言う人ほど、パチンコに財布も時間も囚われているってことなのだろう。逆に、財布も時間も囚われているからこそ「パチンコを辞めたい」とか言いたくなってしまう気持ちも理解できる。
もしキミが今「パチンコ辞めたいんだよね」って思ってるんだとしたら、「普通の節度の範囲で遊んでる人はそういうこと考えないよ」って言ってあげたい。そして僕は、別にパチンコをやめようとは思っていない。パチンコはあくまで趣味だからだ。