“日本のビルゲイツ”と呼ばれる天才プログラマー、登大遊さん(36)に密着した2月7日放送の「情熱大陸」(MBS/TBS系列)が、ネット上で大きな反響を呼んでいる。学生時代に起業した登さんは、自社のほか、NTT東日本にも席を置き、筑波大学の准教授、経産省の外郭団体「情報処理推進機構(IPA)」のサイバー技術研究室室長としても活躍している。
話題になったのは、天才と言われるだけのことはある自由な発想や言動だ。オフィスでいきなり靴下やワイシャツを脱いだかと思うと「プログラミングやる時に重要なのは快適にやること」などと語ると、プログラマーらしき視聴者の方々からは賛同の声が挙がっていた。(文:okei)
「こんなん履いててプログラミングできるわけない」
番組では、登さんが世界中からのサイバー攻撃に備える様子や、全国の自治体のテレワーク推進システムを構築する様子などを紹介。自分のデスクについた登さんはいきなり靴下を脱ぎ出し、
「こんなん履いててプログラミングできるわけない、この上着もけしからんですよ」
「プログラミングやるときに重要なのは快適にやることで」
と語り、ワイシャツも脱いで、Tシャツ姿で作業に没頭し始めた。上着は暑いとのことで、気楽な格好の方が作業に集中できるのだろう。
この様子に視聴者からは「全国のプログラマーをスーツで勤務させてる企業聞いてるかー?」「弊社も見ろ」など称賛の声が多数挙がった。プログラマーは「服装が自由」というイメージがあるが、スーツ着用を義務化している企業も多そうだ。中には、”スーツは仕事のスイッチが入る”と強要してくる自社に不満を叫ぶ人や「プログラマーに限らずもうスーツとかいう概念この世から消えていいだろ」などのコメントもみられた。
一方、その日に着ていく服を選ぶ手間が省けるので「スーツは楽」「私服に自信がないのでスーツの方が助かる」など逆の意見も散見される。テレワークの普及もあってスーツ業界は旗色が悪い今日、スーツ着用に関して思うところのある人は多いようだった。
「けしからんことをやっていいとなった瞬間が一番面白い」に
注目を集めた登さんの言葉は他にもある。市役所の業務は、堅いセキュリティシステムに守られており、自宅からのテレワークは難しいとされていた。しかし、登さんたちのプロジェクトチームは、自宅からでも暗号化技術を駆使した情報漏えいのないテレワークを実現するという。登さんは、
「これまで家から市役所業務ができるというのは、それがけしからんじゃないかと(言われていた)」
「そういう”けしかんらさ”があったのが、コロナが原因でそのけしからんことをやっていいことになったんです」
「けしからんことをやっていいという風になった瞬間が、一番面白いんやと思います」
と笑顔で変革時の楽しさを語った。
こちらもあるツイッターユーザーが「わかる」とコメントを付けてツイートすると、2万5000件以上のいいねが付き、「デジタル庁のトップに立って指導してほしい」などと多くの賛同を集めている。登さんは「けしからん」が口癖で、ほかにも「スーパーマリオブラザーズ2は一番難しいゲーム。いまのゲームはけしからん、『お客様は神様』扱いして簡単にクリアできる」などと話していた。
NTT東日本の役員に新しく試してみたいことを提案した時には、できないと言われても「ギリギリ出来たらモチベーションが上がる」と会社のメリットよりも、自分の楽しさを優先して説得していたのが印象的だった。きっと登さんは「けしからん」を引っくり返す楽しさを味わおうとしていたのだろう。