同財団によると相島の猫はフレンドリーで、連絡船を降りると観光客に寄ってくるという。行政としても野良猫を観光資源と捉えており、島の駅では猫グッズを売り出している。一見すると猫の楽園とも思える同島だが、
「よく観察すると栄養不良と病気でボロボロの猫もいます。餌場ではトンビか空を舞い、いつも子猫を捕食しようと狙っていました。猫を捨てる人もいると聞きました」
とリリースで説明しており、不妊手術の重要性が増している。
地元ボランティア団体の事前申請では、不妊手術をしていない猫は約80頭とされていた。しかし、約100人のボランティアが4日間に渡って捕獲した結果、182頭となった。
同財団は150頭を対象に、不妊手術やワクチン投与、ノミ・ダニ駆除、怪我の治療などを実施。内訳はオス73頭、メス77頭で、メスの61%はすでに妊娠していた。
費用の関係で手術の対象とならなかった約30頭は、地元団体「古賀ねこの会」の負担により県内の動物病院で不妊手術を受ける。
これにより、同島のほとんどの野良猫は不妊手術を終えた「さくらねこ」になるが、未手術の猫も確認されている。
今年度5万匹の不妊手術で殺処分ゼロへ
同財団は全国の野良猫を対象に、累計15万匹の不妊手術を行ってきた。これにより、2009年度には16万5771匹だった猫の殺処分数が、2019年度には2万7108匹まで減少したという。
同財団は野良猫の不妊手術をめぐり、「今後は1.スグやる 2.全部やる 3.続ける を実践し、100%さくらねこを目指します」とコメント。今年度は5万匹の不妊手術を目指す。同財団は殺処分ゼロを支援する月額2222円からの「さくらねこサポーター」を募集している。