ワクチンの接種が始まったとはいえ、全国民が打ち終えたわけではない。ようやく64歳以下の接種が始まった段階だ。五輪開催となれば各国の選手や関係者、マスコミなどが来日することとなり、新たな変異株が持ち込まれる危険性もある。人流を抑え、感染を封じ込めるために外出自粛をしてきた国民の行動に意味はあるのだろうか。
しかも政府は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除された場合、定員50%以内なら1万人を上限に観客の受け入れを認める案を検討している。政府のちぐはぐな意思決定に対して、呆れる人は多い。
埼玉県在住の20代男性(正社員/年収300万円)は、
「この1年間で何も改善されてない中で大規模なイベントを開催して納得できるわけがない。飲食店での酒の提供が禁止されている理由も人流を抑えるためという名目であるはずなのに政府がそれを破ろうとしている」
と怒りをにじませる。
また小学生の子ども2人を持つ東京都在住の50代女性(正社員/年収400万円)は、「遠足や運動会や色々な行事が全て中止になっている」と子どもたちが置かれた現状を訴えたうえで、「国の利益の為に、一般国民に我慢させる意味が分からん」と不満をあらわにする。
幼稚園、保育園のイベントも見送りになってきた。にもかかわらず、それらの行事とは比べ物にならないくらいの規模である五輪が開催されるとあっては、納得がいかないのは当然だ。
「国民の命や生活より利権優先なのが明らか。日本政府にはもう何の期待もしない」
兵庫県で介護士として働く30代女性(正社員/年収300万円)は、リモートワークができない業種であるがゆえに日々感染リスクにさらされながら高齢者のケアをしている。しかし、先日勤務先の施設で感染者が出てしまい、
「かつてない厳しい対応に追われ、現場は疲弊している」
という状況にあるという。しかしそれでもなお、ワクチンが回ってこないため接種ができていない。女性は、
「この状況で五輪なんて、狂気の沙汰としか思えない(中略)こんなに長く自粛を強いられ、我慢の限界で腹立たしい。 今だにワクチンが高齢者や医療従事者に行き渡っていないのに、五輪関係者が優先なんて神経を疑う。首相始め政府は、国民の命や生活より利権優先なのが明らかで、日本政府にはもう何の期待もしない」
と政府への不信を募らせた。
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