副反応が出た場合に有休が取れる、という企業も多い。弁護士ドットコムは6月24日、希望する社員とその家族にモデルナ社製ワクチンの”職域接種”を実施すると発表。接種後の社員、家族に副作用による体調不良が生じた場合には、特別有給休暇の取得が可能になるとした。
コンサルティング事業を手掛けるウィルゲートも、副作用による体調不良に対し最大2日間の特別休暇を利用可能にすると発表。これまでにグロービス、タイミー、エイブル&パートナーズ、USEN-NEXT HOLDINGS、オンデーズ、Sansan、ミクシィ、クラッソーネなどが同様の発表をしている。
ネットイヤーグループは、接種した本人やその家族に副反応が発現して看護が必要な場合に限り、同社独自の「COVID規定」が適用できるとした。同規定では最大14日間の特別有給休暇を認めており、他社と比較しても休暇日数が極めて長い。
サービス利用者に「見舞金」を支給する企業もある。出張撮影マッチングサービスのピクスタは、同社の登録カメラマンを対象に、5000円の見舞金を支給すると発表。ワクチン接種を2回終えていることが条件で、12月末まで申請を受け付ける。
25日17時からは職域接種の新規申請を一時ストップ
多くの国民が副作用に不安を抱える中、6月21日から始まったコロナワクチンの職域接種。職域接種は、ワクチン接種に関する地域の負担を軽減して摂取の加速を測るため、企業や学校単位で実施する集団接種だが、副作用で体調を崩した社員の救済策は各企業の判断に委ねられている。
厚生労働省は25日17時から、出荷可能なワクチン量を上回ることが見込まれるため、職域接種の新規申請を一時休止することを発表した。だが、今後もより多くの国民がワクチン接種に臨むことは間違いなく、副作用による体調不良に苦しむケースも増えることが想定される。企業に頼らない、国を挙げた対策が求められていくのは必至だろう。