4600万円を使い切ったというネットカジノ 日本からアクセスして大丈夫なの? | キャリコネニュース - Page 2
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4600万円を使い切ったというネットカジノ 日本からアクセスして大丈夫なの?

ネットで話題になったのは次のようなニュースだ。

山口県阿武町が新型コロナウイルス対策の臨時特別給付金計4630万円を誤って町内の男性(24)に振り込み、返還を求めている問題で、男性が「金は海外のインターネットカジノ数社で全部使った」と説明していることが17日、関係者への取材で分かった。(共同通信・2022年5月17日配信)

そもそも日本国内での「賭け事(賭博)」は違法である。

海外のカジノで遊んだ日本人が処罰されていないのは、賭博罪に国外犯の処罰規定がないから。ようは、国外で賭博行為をしても日本の刑法では処罰されないのだ。

では、「海外のネットカジノ」はどうなのか? これは文字通りインターネット上で運営されているカジノのこと。多くは賭け事が合法な国のサーバで運営されていて、実際に「お金」を賭けることも可能となっている。

共同通信(2021年12月19日)によると、日本国内からもかなりのアクセスがあるようだ。

デジタル分析支援会社、シミラーウェブジャパン(東京)の調査によると、オンラインカジノへの日本からのアクセス数は、2018年12月に月間約70万回だったが、19年2月ごろから急増。コロナ禍が本格化した20年1月には約7820万回まで増えた。その後はいったん減少したが、20年8月から再び増加に転じた。

21年9月は約8300万回を記録し、18年12月の約118倍に膨らんだ。国別アクセス数は、米国の約2億5800万回が最多で、二位は約1億400万回のドイツだった。

こんなデータを見ていると、「アクセスしてもOKなのか?」と思いそうになるが、それは勘違い。2016年、オンラインカジノを国内から利用した人たちが逮捕されたケースを、読売新聞が報じている。

捜査関係者によると、3人は今年2月頃、カジノサイトに接続し、ブラックジャックで、金を賭けた疑いが持たれている。

サイトは、ネット中継され、日本人女性のディーラーがルーレットやブラックジャックなどのゲームを提供。客はあらかじめ氏名やメールアドレスなどを登録し、クレジットカードや決済サイトを使って入金して、賭ける。遊び方などは日本語でやり取りでき、賭博の開催時間は、日本時間の夕方から深夜に設定していた。

府警は英国に拠点があっても実態は日本向けの違法賭博と判断。客の賭博行為は国内で行われているとして、単純賭博容疑での摘発に踏み切った。(『読売新聞』2016年3月10日付大阪夕刊)

検索エンジンで調べると、日本から利用してもOKと思わせるような解説サイトが次々に出てくるが、これもよく読むと根拠薄弱。

先ほどの共同通信記事でも指摘されていたことだが、結局は「海外事業者の取り締まりは非常に困難で、事実上野放し状態」なだけで、海外オンラインカジノを国内から使えば、日本の賭博罪に問われるリスクは常に存在するわけだ。

それにしても、4600万円という大金がどこへ消えたのか不思議でしかたがなかったが、確かに博打でならあっという間に「溶かせる」うえ、取り返すのも難しそうだ。実際に金がどのように流れたのかは、今後きちんと精査されていくのだろうが……。なんともやるせないニュースだった。

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