これで割を食ったのがKindleで自費出版している著者たち。本がどんどん読まれているのに1円も儲からない。それどころか、アマゾンに支払う手数料の分だけ「売上がマイナスになる」ケースまで出ているらしい。
こうした著者のうちの一人K. Brombergさんは、メディアMotherboardの取材に答え「シリーズ本の1巻を買って返品、その後2巻を買って返品、3巻を買って返品というようなケースもある。1日1冊ずつ、みたいな。勘弁して!」と語っている。
こんなことをできるのはなぜか、というとamazon.comのポリシーが購入後7日間も、Kindle本の返品を受け付けているからだ(※何度も返品しているとブロックしますよ、という注意書きはある)。少なくない本が、7日間あれば最後まで読めてしまうだろう。
アメリカではAmazonに対して「返品ポリシーを変更して!」と要求する署名運動も始まり、すでに7万人以上が賛同している。
ちなみに日本amazon.co.jpのポリシーも大枠は同じ。だが、返金するかどうかは「Amazonの裁量」とデカデカ書いてあることもあり、運用は微妙に違うかもしれない。
しかし、間違いないのは、もしこんな「ライフハック」が蔓延したら、ほとんどの職業作家が本を作り続けられなくなること。みんなが「それでもいいや」と考えているのだとしたら、本当に残念なことだが……。