女の社会人は「ヒールじゃないと失格」なのか? 「女性の社会進出を阻害する」との声も
足をスラッと長く見せる効果のあるヒール靴。オフィスが舞台のテレビドラマで女性が颯爽と履きこなす姿は、いかにも「デキる女」という印象を植えつける。しかし常に爪先立ちに近い状態を強いられるため、足に負担がかかるのも事実だ。
ある外国人の男性がヒール靴で1日過ごしてみた動画では、慣れない履き心地に「現代の纏足だ」と悶絶する様子が映し出されている。これを見た男性がツイッターに「むしろなんでこんな痛いものを女性たちは履くのだろうか……」と感想を寄せたところ、ある女性が「履かないと上司に怒られた」と返答した。
男性から強要される風潮に「足痛めたら労災降りるのか」
この女性の職場は力仕事を伴うのにもかかわらず、出社初日にヒール靴を履いていないことを上司から注意された。ヒール靴で捻挫をしてからは履くのをやめたが、それに文句を言うのは男性だけだったという。
社会一般的に「女の社会人はヒールじゃないと失格」という雰囲気があり、「ヒールじゃない選択肢なんてなかった」。その一方で、嫌々でも履いていると信頼度がアップして仕事が来ることもあると、自身の経験を明かしている。
「メイクもヒールもないと、『ちゃんと仕事してるけど、社会常識のない子だな。大丈夫かなおい』とか思われるわけです。実際言われますし」
確かに女性向けのビジネスマナー本を見ると、基本として「かかとのあるシンプルなパンプス」をあげ、足をきれいに見せたいのであれば5~7センチのヒールを推奨している。サンダルやミュールは「NG」と記載され、スニーカーを履いている例も見当たらない。
一連のツイートを見た女性からは、「ほんとヒール辛い…」と賛同する反応が。中にはヒール靴を求める男性上司たちに、足を痛めたら責任を取って欲しいという声もあった。
「仕事場で無駄に高いヒールを履くことを強要されて足痛めて病院行った場合に労災おりるのかなあ…」
「男性のスーツ文化」と同じという指摘も
そんな女性の事情も知らず、「脚をキレイに見せたくて好きで履いてるのかと思ってた」と驚く男性も。ヒールの痛さを知って、女性に同情を寄せる男性もいる。
「これはぞくっとした。ヒールをはいてる人見ると、魅力的ってより『痛くないのかな』『捻挫しないのかな』と思ってたけど、地獄じゃねえか」
女性だけがセクシーな美しさを強要されるような慣例に「女性の社会進出っていうけどそもそも靴がこんなんばっかじゃそりゃ阻害もされるよなあ」「男女雇用機会均等法からいったい何十年経つのかと」と呆れる声もある。
その一方で、別の男性たちからはビジネスシーンには「ドレスコード」というものがあり、職場の服装基準が高い場合には、それなりの形で従うしかないという指摘もある。
「男もスーツの時は革靴しか選択肢がない」
「男性のスーツ文化があるかぎり女性の仕事服にヒールは求められると思う」
ただし、そんな男性たちの負担を鑑み、夏場に「クールビズ」という新しいドレスコードができたことも事実。そんなに女性の負担が重いのであれば、「フットワークビズを今すぐ提唱すれば良い」との案もあがっていた。
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