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介護離職ゼロへ「特養増設」に批判殺到 「足りないのは施設ではなく職員だ!」

介護を機に仕事を辞める「介護離職」の解消実現へ向け、安倍首相が特別養護老人ホーム(特養)の増設を行う方針を固めたと9月24日の読売新聞が報じた。同日夜に開かれた会見でも「『介護離職ゼロ』には政権をあげて取り組んでいかなければならない」と明言している。

全面的に介護が必要な「要介護3」以上の約15万人(2013年度)の入所待機者を、2020年代初めまでにゼロにすることを目指す。2016年度当初予算から特養の整備費用を拡充し、消費増税分を原資とする「地域医療介護総合確保基金」を財源に活用する。

「待機解消にもならないし、虐待問題増やすだけ」

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施設を増やすより先にすべきことがあるのでは?

2007年から2013年の間に、家族の介護や看護を理由に離職した人は43万9300人。平均すると年7万人だが、高齢化の進展で近年さらに増加しており、年10万人にものぼると見られている。

高齢化社会が進む中、共働き家庭も増え、特養など施設の需要が高いことは明らかだ。保険のクリニックが40~60歳の男女432人に「親が介護状態になったらどうするか」と尋ねたところ、「介護施設に入所させる」が35.6%でトップとなっている。

しかしネットには、介護職に従事する人からの強い反発の声があがっている。冒頭のニュースがネットで流れると同時に、ツイッターへの投稿が殺到し、24日の朝にはトレンドで2位に。内容は待遇改善を訴えるものがほとんどだ。

「特養増やしても、働く人いないのに。まずは、職員の待遇改善から考えてほしい」
「ただでさえ人手不足なのにこんなことしても待機解消にもならないし、虐待問題増やすだけなんじゃないの?」

政府が目指す「家族の介護を理由に仕事を辞める離職者ゼロ」ではなく、まずは「介護職に従事する人の離職ストップ」に着手しなければ、肝心の介護をする人がいなくなるというわけだ。施設に空きがあっても、職員不足のために入所待機者がいるとの指摘も相次いでいる。

「増設だけしても意味ないから。職員が働きやすい環境を整えることが先」

求人倍率は2.68倍だが平均賃金より10万円も低い

介護職員の数は2012年度には149万人と推計されているが、2025年度には237~249万人が必要と見られている。厚生労働省の調べによると、介護分野の求人倍率は2.68倍(2014年12月時点)。神奈川や三重では4倍を超えている。

その一方で、福祉施設介護員の平均賃金は21万8900円と低く、産業全体の32万4000円を10万円以上も低い。これでは募集をかけても集まらないのも仕方がない。

東京都社会福祉協議会が305の特養にアンケートを行ったところ、47.2%の施設が「職員不足」と回答。6か月以上不足の状態が続いている所は82施設にのぼり、対策として「入所の抑制」(特養9、ショートステイ7)や「閉鎖」(特養3、ショートステイ2)といった措置が取られているという。

これはツイッターでの「足りないのは施設ではなく職員」という指摘と合致する。職員が足りないまま強引に施設を増やせば、施設あたりの職員は足りなくなり、業務の負担はいっそう増え「虐待問題を増やすだけ」となる可能性がある。反発が殺到するのも無理はない。

あわせてよみたい:恋人が家族の介護をしていたら… 「結婚をためらう」男性46%、女性68%

 

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