4月の「電車激混み」一体なぜ? 首都圏の鉄道各社に聞いてみた | キャリコネニュース
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4月の「電車激混み」一体なぜ? 首都圏の鉄道各社に聞いてみた

画像はイメージ

4月になって新年度を迎え、今日が初出勤という新入社員も多いだろう。その影響か、1日午前中は首都圏で電車が混雑し、遅延も発生していた。

Xでも「電車激混み」がトレンドに入った。「今朝は電車激混みだったわ」「帰りも電車激混みだと思うと憂鬱」といった書き込みが相次いだ。

その一方で、学生たちが通学を始めるこれから、さらに混雑する、という見方をする人も多い。たしかに、学生は4月上旬まで春休み。入学式も今週中に行われるため、しばらく電車が混雑すると言えそうだ。

例年4月は電車が混むイメージがあるが、実際のところはどうなのだろうか。鉄道各社に話を聞いた。

統計上は4月が特別混んでいるわけではないけど……

今回取材した首都圏の複数の鉄道会社は、いずれも月単位で旅客数のデータを公表していないと回答。そのため4月に電車が混むとは、どこもはっきりとは言えない、推測の域を出ないと口を揃えた。

国土交通省の「鉄道輸送統計月報」を見ると、2023年4月の旅客数量は、18億6224万人だった。一方で3月は、18億482万人。4月は3月より5000万人以上多かったことがわかる。

これだけ見ると、4月はやはり電車が混雑しているという印象だが、年間を通して見ると、4月だけ多いわけではない。6月は18億9553万人、10月は19億4740万人、12月は19億982万人だった。

ただ、Xで激混みとの投稿が相次いだのは事実なわけで、混雑を実感している乗客は多い。ある鉄道会社の関係者は、

「一般論としては、新社会人や新入社員の方達がたくさん乗車してますし、中には電車に慣れていない方もいらっしゃるかもしれません」

と話している。通常、混雑時に乗客は出入り口付近に立ち止まらず、奥に詰める必要があるが、不慣れな人ほどどこまで詰めればいいかわからず、結局ドア付近に立ち止まる傾向がある。そうすると乗り降りがスムーズにいかず、混雑を助長してしまうというわけだ。

ほかには、地方支社の社員が本社のある都心に新人研修を受けに来て、都心の電車が混むという声も聞かれた。このように混雑を感じる理由は一概には言えず、さまざまな要因が絡み合っていると言えるだろう。

アプリ活用などで混雑回避を

今回取材した各鉄道会社ではこの時期だけを対象にした特別な対策はしていないというが、混雑対策は日頃より行っている。

東京メトロではホーム上に特殊なカメラを設置しており、カメラの画像と人工知能を用いて列車のリアルタイムな混雑状況を4段階で算出している。

『東京メトロmy!アプリ』を使えば、自分が乗る予定の電車の車両ごとの混雑傾向が事前にわかる。例えば、4号車が混雑しているから、比較的空いている6号車に乗ろうということが可能だ。

東京メトロを運営する東京地下鉄広報部の担当者は、混雑対策として、

「混雑をできる限り避けて快適にご利用いただけるよう、ぜひご乗車前にアプリ等で混雑傾向を確認いただきたい」

と話している。

JR東日本でも『JR東日本アプリ』で混雑状況を電車ごとに知ることができる。平日朝のピーク以外の時間帯にのみ定期券として利用できる『オフピーク定期券』も発売中だ。通常の定期券より10%割安になる。10月からはさらに値下げする予定だ。

東京メトロでもオフピーク通勤を呼びかけており、特に混雑する東西線ではオフピークの時間帯に登録したPASMOで乗車するとメトポというポイントが貯まる。10ポイント=10円単位でPASMOにチャージできる。京王電鉄でも時差通勤やオフピーク乗車をホームページのお知らせ欄や車内で呼びかけている。

4月は色んな要因で混雑を感じやすい。鉄道会社のアプリを活用したり、早起きしてオフピーク通勤したりして、乗り切ってほしい。

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