読売社説「新聞は重要な公共財」にネット民が総ツッコミ 「常識的に考えて電気や水道の方が重要」
購読者の世帯年収「1000万円以上」が14.9%なのに
そもそも軽減税率が必要な理由について、導入を後押しした公明党はウェブサイトのQ&Aで「所得が低い人ほど負担感が重くなる逆進性を緩和するため」と説明している。
しかし新聞の主な購読者は、低所得者層ではない。広告営業などに使われる「2015読売新聞媒体資料」によると、読売新聞読者の世帯年収は500万円以上が55.7%を占め、1000万円以上も14.9%いる(不明は6.7%)。
また読売の社説は、新聞が「民主主義や活字文化を支える重要な公共財」であることを適用の根拠としているが、公明党のQ&Aには「民主主義」や「活字文化」が軽減の目的になりうるとは書かれていない。
日常的にネット経由で情報を得る若手世代の間では、今回の措置は「斜陽産業に対するえこひいき」というのが大半の見方。ネットやスマホの料金をなぜ対象としないのかといった批判とともに、こんな揶揄が飛ぶ。
「政府は新聞を買収することに成功した」
「新聞が賄賂を受け取ったようなもの」
周囲の反対に新聞社自身が反論を展開するのではなく、政権与党に向けて「丁寧な説明」を促す内容には、「情けない」「もう新聞の政権批判は信用できない」といった声が相次ぐ。
トイレットペーパーの適用外に「ケツふく紙にもなりゃしねえ」
ネット掲示板は「いつもの読売」「読売らしいな」と冷ややかではあるが、この件ばかりは民主党の方が正しいという意見があふれている。
「いやいや電気や水道の方が重要だろう、常識的に考えて」
「新聞なんてなくても困らないが、水道や電気はないと困る」
生活に欠かせないトイレットペーパーが適用外となる中で、新聞に適用されるのは納得いかないとして「ケツふく紙にもなりゃしねえ」と憤る人も。中には「読売新聞の社員は、電気水道無しで、新聞を糧に生きてもらおう」という人もいる。
新聞を愛読する人からも、無理筋を押し通す主張に悲しみを表す声が。経済評論家の佐藤治彦氏は、12月16日のツイッターにこう投稿していた。
「日本の言論を預かる天下の新聞社の皆さま、たった2%で愛読者は動きません。むしろ、襟を正し我が社は10%で結構と言うところに読者は流れるかと思います。少なくとも私はそういう新聞の愛読者でありたいです。どうか、情けないことしないで頂きたいです」
しかしこの呼びかけは届かず、開き直った社説が掲載されるに至った。新聞社は値上げせずに済んだと安心しているかもしれないが、これを理由に購読を中止する読者の存在も織り込んでおいた方がいいのではないだろうか。
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