男性の育休問題で最高裁が画期的な判決! 取得率2.3%という残念過ぎる現状は変わるのか
そもそも、男性の育休取得率はどれだけ低いのか。2014年度、女性の育休取得率は86.6%だったが、男性はわずか2.3%。政府は2020年までに男性の育児休業取得率を13%にすることを目標と掲げているが、あと5年で約4倍にしないと達成できない数値だ。
ユーキャン(2014年)の「男性の育児休暇取得に関する意識調査」では、育休取得を妨げる障壁として「職場の理解が足らない」が理由の1位にあがっている。法律では育休取得を理由に従業員に昇給させないなど不利益な取扱いをすることを禁じているが、実際には昇進に影響したりすることを懸念して自粛する父親もいるのだろう。そういう人には今回の決定が大きな後押しとなりそうだ。
男性が育休を取得する試みは国会にも広まりつつあるようだ。22日には自民党の宮崎謙介議員が、子どもが生まれたあとに1~2か月の育休を取るように検討をしているとNHKニュースが報じている。
衆議院の規則では育休の定めがないが、宮崎議員は、他の子育て中の議員とともに、育児のために一定期間、国会を欠席できるように衆議院規則の改正を求めていく方針とのことだ。
「国会議員が率先して取得することで、男性の育児参加が進んでいない現状を変えていきたい」と話している。
厚労省は育休取得を促進させるための助成金新設を要求
厚生労働省も男性の育児休業取得を促している。2017年度の予算概算要求には、「男性の育児休業等の取得促進のための職場環境整備等を行う事業主への助成金」の新設を盛り込んでいる。
日経新聞によると、対象となるのは、男性の育休取得者が過去3年間で1人もいない企業。従業員が育休を取得すれば1人目は30万円、2~5人目は15万円の助成金が企業に支払われる。また、育休取得者の業務を引き継ぐマニュアル作成など、育休を取得しやすくした企業には、別途30万円の助成金を支払う制度も設ける、という内容だ。
こうした一連の動きの中で企業の男性の育休取得に対する理解は進むのだろうか。ネットでは、今回の判決を受けて、「いい方向」「育休は女性、男性の両方が利用できるようにすべき」といった声も出ていた。
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