労組は「大幅な賃上げ要求」を見送るのか? 日銀総裁も「労働者側に強い追い風」とハッパをかけたが…
賃上げについてはこれまで労組側が「上げろ」と主張、経営側が「無理だ」と反論するのがお定まりだったが、現在はこれが逆になっている。2015年11月26日の会合で経団連の榊原定征会長は業績が好調な企業に対し、2016年の春闘で「今年を上回る水準を期待する」との意向を表明した。
しかし12月4日には、金属労協が2016年の春闘での要求を「ベースアップ月額3000円以上」と正式決定。前年春の要求水準である「6000円以上」を大きく下回るため、低すぎるという指摘も出ていた。
同日の日経新聞には、自動車総連や電機連合も横並びで「3000円以上」を要求する見通しと書かれ、ネットにはこんな冷ややかな声もあがっている。
「安倍政権が賃上げ努力して、組合費貰ってる連合が賃上げに消極的ってwww」
「下手に賃上げすると残業規制されるからな」
厚労省が1月4日に発表した調査結果によると、推定組織率は17.4%に過ぎない。労組が賃上げに慎重になっているのは、一部の大企業正社員の利益を代表する組織になっており、賃金引き上げより「組合員の雇用安定」を優先しているためと見られている。
15年11月には連合が16年春闘で「2%程度の賃上げ要求」を打ち出したが、これに対しても甘利明経済再生担当相が、「3%は目指してもらいたい」と不満を表明。来日していた国際通貨基金(IMF)副局長ジャン・フェレッティ氏も「人手不足といわれるが、もっと賃上げすれば労働者は確保できる」と指摘していた。
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