「家族も参加する大運動会」「新人が社員旅行を企画」 日経ビジネスの「やる気向上」特集にネット民「まるで罰ゲームだ」
目立つのは、かつて高度経済成長期のころに流行った社内運動会など催しの復活だ。みずほフィナンシャルグループでは、昨年10月にグループ各社の社員とその家族7000人が集まって運動会を開催。綱引きやリレー、大玉入れなどを行った。グループ間のコミュニケーションを促すことで、一体感の強化を目指す。
三越伊勢丹ホールディングスの運動会では社長自らが舞台に上がり、生バンドで歌を披露。経営陣や管理者が自らをさらけ出すことで、会社に親近感を持ってもらうのが狙いだ。ロート製薬では毎月、本社社員600人が集まる誕生日会を実施。全員でバースデーソングを合唱するのだという。
このほかにも同特集では「社内報に毎号、全社員が登場」「ランチ仲間を抽選でランダムに」「社内SNSでプライベート情報を共有」「新入社員が社員旅行を企画」といった施策が紹介されている。
淡々と仕事をするのではなく、社員同士が仲良くなることを期待しているようだが、こうした一連の施策に対し、ツイッターには「まるで罰ゲーム集だ」と反発の声が相次いだ。仕事と私生活の仕切りを曖昧にしようとする動きが受け入れられない、という人が多いようだ。
「仕事とプライベートを近づけないで」
「体育会系の発想から離れられない病理」
「社畜増やすだけじゃん…プライベートなくなるし、これで元気になるかい!」
権限委譲で「20万円まで上司の決済を不要」にする会社も
ネットでは、モチベーションを上げるにはこうした回りくどい施策ではなく「給料上げて休みを増やせばいい」といった声も多い。逆に「なにがなんでも給料も休みもあげたくないという断固たる意思を感じる」というのだ。
また、みずほFGにしてもロート製薬にしても、登場する企業は経営が安定した大企業が中心。こうした施策の効果があるのは「但し、『一流企業』に限る」という指摘もあった
「見える、見えるぞ これを鵜呑みにした中小企業の重役が導入しようとして社員のやる気をネコソギにしていく姿が」
社員間のコミュニケーションを改善させることは、業務の生産性や人材の定着率をあげ、ストレスを軽減させる効果があるといわれている。その意味ではこうした取り組みも筋が通っているが、給与や休みに手をつけずにイベントだけで「やる気向上」と言われてもウンザリする気持ちも理解できる。
もっとも、特集では社内運動会以外の施策も紹介されている。「社長が必ず目を通す新規事業の『目安箱』を設置」「20万円まで上司の決済不要」といったものはスピーディーな事業展開にもつながりそうだ。
「子連れ出勤」や「上限なし在宅勤務」など、フレキシブルな働き方を認めることも、モチベーションを向上させる可能性があるそうだ。いずれにせよ、これからの時代、何もしないままでは優秀な人材をキープできない。各社それぞれの状況に合わせて、経営層が工夫することが必要ということだろう。
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