渋谷で「ファストフード・グローバルアクション」開催 「時給1500円」求めてセンター街で参加者100人が声をあげる
4月15日、世界40か国以上で「ファストフード・グローバルアクション」が行われた。アメリカ発のこの世界連帯行動は今回が3回目。当初はファストフード産業で働く労働者が中心となっていたが、今では低賃金で働く労働者全体にうねりが広がっている。
東京渋谷では、複数の労働組合からなる「最低賃金大幅引き上げキャンペーン委員会」が主催し、アクションに参加した。約100人(主催者側発表)がセンター街で、「1500円なければ生活できないぞ!」「賃金上げろ」と声をあげて通行人にアピールをした。
ニューヨークやカリフォルニアに続き、日本でも最低賃金大幅アップを目指す
スタート地点となったのはセンター街入口。「誰でも最低時給¥1500」と書かれたのぼりや、マクドナルドのマスコットキャラ、ドナルドに扮した参加者が珍しかったのか、多くの通行人や外国人観光客がスマホで写真を撮っていた。小学生の男の子が「なんでこんなところにドナルドがいるの?」と参加者に話しかける一幕もあった。
参加者は15時に出発し、約20分間、センター街を練り歩きながら、拡声器を使って通行人に訴えた。
「日本の最低賃金低すぎます。東京でも907円。年間フルタイムで働いても年収200万円にもいきません。これでは低すぎる」
「世界40か国以上で行動が行われています。低賃金の労働者が、最低賃金をあげようと声をあげています。アメリカではその結果ニューヨーク市やカリフォルニア州で次々と時給15ドル、最低賃金アップが実現しています。私たちはその戦いに続いて、日本でも最低賃金の大幅アップを目指したいと考えています」
また、世界各国の最低賃金事情が書かれたリーフレットを配布。さらに、アピール行動の様子を写真に撮ってネットに拡散することも呼び掛けていた。その後、センター街のマクドナルドまでたどり着くと、参加者が集合し、
「最低賃金を大幅にあげましょう!」「時給1500円にしろ」「我々は声をあげるぞ!」
「まともに暮らせる賃金よこせ」「世界の労働者と連帯して戦うぞ!」
とシュプレヒコールをあげた。
同じコンビニ店員でも地域によって賃金格差があるのはおかしい
アピール行動終了後、ハチ公前広場に場所を移して街頭演説を行った。北海道の病院で管理栄養士として働く岩﨑唯さん(24)は、正社員なものの、手取りは月40~60時間の残業代込で18万円ほど。年収は200万円を超す程度だといい、時給1500円の場合の年収279万円には及ばない。「時給1500円は生きるために必要な金額を要求しているだけです」と話した。
また、北海道の最低賃金は現在764円。ファストフードやコンビニといった全国にチェーン展開している企業で、業務内容はどこでも同じなのに地域によって賃金の差が大きいことに疑問を呈した。
「北海道は物価が安いからですか? 北海道は車がないと生活できない地域も多く、東京より交通費が高くなることもあります。家賃は安いけれど、そういうことを合わせると北海道で暮らすのも東京で暮らすのも変わらない。北海道の賃金が安すぎるからみんな東京に出て行って若い人が残りません」
その上で、全国一律の給料を目指すべきと訴えた。演説を聞いていた介護ヘルパーの男性(36)も女性の話に納得。「時給1500円を目指す」という主張について、
「今の東京の最低賃金が900円程度だから時給1500円は高く感じるけど、例え1500円になったとしても、年収に換算すれば300万円いかない。それなら無理な要求ではないのかな」
と話していた。
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