あなたの代わりに1日1万円で有休消化――パロディ動画「休暇代行専門士」にマジレスする人続出
お金をもらって依頼者の代わりに有給休暇を取得する「休暇代行専門士」という架空の職業を取り上げたパロディ動画がツイッターで拡散され、マジレスする人が相次いでいる。
動画を投稿したのはoloさんという人物。oloさんは架空のニュースやドキュメンタリー動画を製作していることで知られ、作品が度々ネットで人気を博している。今回話題になった動画は、昨年開催されたイベント向けに製作されたものだ。
「私が責任をもって休むので、その間しっかり業務をして頂きたいと思います」
有休をテーマにしたニュース風の動画で、見出しは「労働環境改善政策 新制度の活用広がる」。都内のIT企業のオフィスが映し出されているが、一見すると本物のニュースと見間違うほど再現性が高い。30代の会社員の男性がインタビューを受け、業務量が多く有給が取れないと悩みを語る。
有給消化をしたい男性が契約したのが「休暇代行専門士」の資格を持つ男性だ。休暇代行専門士は国の認定資格で、仕事が忙しくて休めない依頼主の代わりに、所定の金額をもらって休暇を取るのが仕事だ。依頼者にとっては「有給休暇と業務、両方を消化できる一石二鳥の制度」だという。
番組では、休暇代行専門士の男性が一日一万円で休暇代行を引き受け、依頼者の男性に対して「お休みが私が責任をもって取らせて頂きますので、その間しっかり業務をして頂きたいと思います」と話す。
これに対して依頼者の男性は笑顔で「すごく嬉しいです」と、自身の有給が消化されることを喜び契約成立。男性がクタクタになって働いている間、休暇代行専門士の男性は、依頼者の家で漫画などを読んでくつろいで過ごす。飲み物を片手に「肉体的には辛い仕事なんですけど、皆さんに必要とされている仕事なので、その辺はやりがいを持ってやらせてもらっています」と話し、一万円札を数えながら不気味な笑みを浮かべるシーンで動画は終わる。
「自分も休暇代行専門士になりたいです」という声も多数
有休を取れない状況を揶揄したパロディなのだが、ツイッターでは9月18日前後に、この動画のクレジット部分などを削除したものが投稿され、本物と勘違いする人が続出した。
「休暇代行とかこんなのやり始めるあたりもう日本は終わってる。日本に生まれた時点で人生負け組」
「休暇代行専門士???日本人は働きすぎで頭おかしくなったのか???何故お金を払って他人に休んでもらって自分は働く???」
「休暇代行専門士とかyoutuberよりも楽じゃねーかw」
中には、「将来の夢は休暇代行専門士です」「休暇代行専門士の資格について知っている人がいたら情報ください」という書き込みもある。たしかに、お金をもらって休めるのだからこれ以上に楽な仕事はない。
一方で、ネタだとわかった人からは「どうせ仕事しないとなんだから、休まなくてもいいから有給買い取ってほしいわ」なんて声もあった。
日本人の有給取得率は47.6%(2015年厚労省調べ)と依然として低く、休みを取らずに働く人が多い。他人ではなく、自分自身が堂々と休める環境が望ましいことは間違いない。
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