「会議では公開処刑をやめて、どうすれば解決できるかだけを考える」――「新しいディレクターが会議を変えた話」が話題に | キャリコネニュース
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「会議では公開処刑をやめて、どうすれば解決できるかだけを考える」――「新しいディレクターが会議を変えた話」が話題に

会議のやり方ひとつで、仕事へのモチベーションは劇的に変化するものらしい。2月10日、漫画家のがっきーさんがツイッターで、ゲーム開発を行っていた会社員時代のエピソードを披露して話題になった。

難航していた開発の中盤、会議はミスやトラブル責任の追及が中心で処刑場になっていた。だがある日、新しいディレクター「D」が配属され、会議のやり方を大きく変えたという。(文:okei)

「犯人探しをやめます」「解決できなかった時は俺が責任取る」

会議での無駄な吊し上げはやめよう

会議での無駄な吊し上げはやめよう

改革はD氏が来て初めての会議ですぐに行なわれた。いつものようにミスした者や遅れた者を探して叱るリーダーを見たD氏は、笑いながら「ずっとこんな事してたの?」「やめやめ!会議のやり方を変えます」と切り出した。

進捗の報告は、出来ていないもの・問題のあるものだけで良い、出来ているものは予定表で分かるから必要無いという。「で、その問題がどうすれば解決出来るか、助けがいるなら何が欲しいかだけを話し合おう」とした上で、こう言い切った。

「あと問題の犯人探しをやめます。時間の無駄。解決方法だけでいい」

それに対してリーダーが「問題の所在をハッキリさせるのは重要だ」と異議を唱えると、

「俺は発売までに解決できるならそれは問題じゃないという認識。解決できなかった時は俺が責任取るから。それでいいだろ?」

と請け合った。さらに、皆の前で説教もするなという。

「関係ない人には時間の無駄だし、聞いてる方はたまんないから。後で当事者だけでこっそりやって」

男前な発言である。この人は、公開処刑が時間の無駄である上に全体のやる気を削ぐものだと知っている。「俺が責任を取る」とするのも、解決方法だけを協議することで仕事がうまく行くことに、確信があってのことだろう。

他人のミスに我関せずだったのが、積極的に助け合うように

このやり方で会議を始めた途端、驚くほどスムーズになり会議時間は半分以下になったという。「社員のストレスは減り、積極性も上がり、スピード、効率が上がった」と振り返るがっきーさん。

「皆今まで他人のミスに我関せずだったのが、積極的に助け合うようになった。会議のやり方一つでここまで変わるのかと衝撃だった」

と、当時の感激を語っている。「ピリピリしていたリーダーも最後はニコニコ仕事してた」というから、居合わせたすべての人がD氏を敬愛していたであろうことは想像に難くない。

また、「Dが責任を取る」と言ったことによって、「挑戦、実験が可能になり、意見交換やアイデア出しが活発になったんだよね」とも。理想的なリーダーシップの中で、会議だけでなく仕事自体の好循環も生み出したのだ。

このツイートは共感を呼び、600以上リツイートされ拡散した。反響の多さにがっきーさん本人がトゥギャッターにまとめると、閲覧数17万を突破。こちらには、D氏への惜しみない称賛が数多く書き込まれていた。

「衆目に晒して説教するのが好きな人多いよねマジで。時間の無駄だよあれは」
「公開処刑なんかすると叱責を恐れて問題を隠蔽しようとする。そういう方向への誘惑を断ち切ったのは素晴らしい」

「当たり前の」割合が少しでも増えればいい

なお、これは11年前のことだというから驚きだ。D氏はアメリカで働いた経験から効率的なやり方を学んだ人物で、その後がっきーさんが調べたところによると、現在は大手の執行役員部長を務めているようだ。反響を受けて、がっきーさんは2日後にこう書き込んでいる。

「本来これが普通なんですよね。でもその普通すら出来ない所がほとんどなんだと、反応を見て感じました。(中略)『当たり前の』割合が少しでも増えればいいな、と思います」

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