「中学生以降はお金が飛んで行く?」疑問への答えが切実 「小学生までは体力が必要。中学以降は、お金が必要」
これに対して多かったのが「スマホ代、お小遣い、塾代、部活のユニフォームなど」という声だ。部活は入るものによって費用が変わるが、合宿代や遠征費、「遠征終われば飲み食いするよ」「食費も増えるし、部屋に長時間いるので地味に電気代もかかる」など枚挙にいとまがない。
とりわけ多かったのは「塾はかなりかかる」という切実な悲鳴だ。
「特に受験生になると、夏期講習や冬期講習で札束飛んでいく」
「塾代、月に32.000円(中略)小学生のときよりプラス5~6万はする」
など、予想はしていたが小学生のときより確実に増えることが分かり、小学生の子どもを持つ筆者も、こんな教えに胃がキリキリする。
「小学生の頃の倍は、かかる。親は、小学生までは体力が必要。中学以降は、お金が必要」
「子供手当は中高生に必要だと思うくらい出費が重なる」
当然、「公立か私立かで大分ちがうよ」との指摘もある。スレッドには、幼稚園から大学までの「教育資金に必要な額」を示した画像の引用もあった。そこには、小学校は公立で200万円以上、私立で800万円以上、中学校は公立で140万円以上、私立で400万円以上などとある。これらを見た女性たちからは、
「やっぱりうちは一人っ子で我慢だな…」「三人目欲しくて悩んでたけど止めようかな…」
「子供を持つことは贅沢なんだよね、今の時代は」
などと、嘆く声が上がっている。
人それぞれの教育資金、データを鵜呑みにしないで
しかし待ってほしい。こうした「教育資金の必要額」の出所は、保険会社が学資保険を薦める広告であることが多い。それが嘘とは言わないが、かかる最大金額を提示していることも忘れてはならない。
それらの一覧の下には、小さな字で「子供手当は考慮しない」とか「下宿通学・私立理系の場合」などと書いてある。実際、前述の引用された画像も、保険募集代理店が運営しているサイトのものである。コメントには、「これかなり盛ってない?」というツッコミも多かった。
一口に学資金といっても、どの程度の学校を目指すか、子どもの学力によっても変わってくるため、一概には言えない。ただ、親としては大体のところは把握しておきたいと思うものだ。
そこで、文部科学省の「子供の学習費調査」の結果を見てみよう。学校種別の学習費総額(2014年度の年額)によると、小学校の場合、公立は32万円、私立は153万円。中学校は公立が48万円、私立は133万円(千円以下切り捨て)とある。これは年額なので、それぞれを6年間、3年間で合計すると前述の保険代理店等が提示するデータとも遠くはない。注目したいのは、その内訳だ。
このデータには、学校教育費(授業料・交通費・納付金など)と給食費、学校外活動費(塾・習い事など)が含まれている。
結論から言うと、「塾や習い事代がスゴイ」のだ。例えば筆者の場合、子どもを公立小学校に通わせて年間1人32万円も(学費だけで)かからない。文科省の資料も、給食費を入れても公立ならば年間およそ10万円で済む。かかるのは塾や習い事で、構成比の68.2%(約21万9千円)を占めている。
つまり、それだけ塾やスポーツ、ピアノなどの習い事をしている子が多く、結果、この額が平均のように扱われてしまう。だが、それなりに身の丈に合った生活をすれば、小学生1人に年間200万円もかからないことは、多くの人が実感済みだろう。あまりデータを鵜呑みにしないほうがいいと感じる。
ただ、残念ながら塾代が一番高くなるのは公立中学の3年生だ。1・2年生で年間約16万円~20万円の塾代が、受験を控えた3年生は43万5千円と倍以上に跳ね上がる(文科省の資料より)。金額は人それぞれだろうが、スレッドの「特に受験生になると…」という書き込みを裏付けているだろう。こんな声が切実に響いた。
「塾に行って高い月謝を払って結果が出てくれたら、フルタイムでパート頑張っても報われるんだけどね…。現実は、なかなか…」
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