「体外受精までするのは自然に逆らっている?」 高度不妊治療に負い目を感じる女性に励ましの声相次ぐ
今月1日、タレントのアレクサンダーさん(34)と元AKB48の川崎希さん(29)夫妻が、体外受精の末妊娠したことを報告し、話題になりました。医療の進歩とともに、今こうした不妊治療に取り組む人は珍しくありません。しかし、なかには大きな迷いを感じる人もいるようです。
4月6日、ガールズちゃんねるに「体外受精や顕微授精について、どう思われますか?」と訊ねる投稿がありました。投稿者の女性(32歳)は結婚3年目で子どもが授からず、人工授精でも結果が出ませんでした。(文:篠原みつき)
「産んでしまえば体外だろうが人工だろうが自然妊娠だろうが一緒だよ」
次は体外受精を考えていますが、両親が「そこまでしなくても…」と乗り気でない事や、本人にも疑問や迷いがあります。
「体外受精までするのは、やっぱり自然に逆らっているのだろうか?という負い目のような気もちもあり、悩んでいます」
と告白し、高度不妊治療に関する意見を募っていました。
近年、結婚年齢、妊娠・出産年齢の上昇に伴い、不妊治療を受ける人の数は年々増加しています。なかでも、高度不妊治療には「体外受精」や「顕微鏡受精」があり、身体的・精神的・経済的な負担が大きいことでも知られています。
トピックの問いかけに対しては、「できるんならやった方がいい。年齢的にも早い方がいい」と励ます声が相次ぎました。
「そこまでしてって 今の医療はそこまで進んでいるんだから なぜその恩恵を受けようとしないの?」
「産んでしまえば体外だろうが人工だろうが自然妊娠だろうが一緒だよ。迷うならチャレンジだよ!」
取り組んだおかげで妊娠・出産できたというエピソードも、多数寄せられています。なかには「体外受精に抵抗があり、長々とタイミングや人工授精(10回以上)やったものの妊娠せず、それで四年近く無駄にしました」「どうせやるなら若いうちにやれば良かった」と後悔する人も。
30歳を過ぎると妊娠率は低下し、不妊治療の成功率も年齢と共に下がるため、「迷っているうちにタイムリミット来ちゃうよ」という忠告が沢山ありました。
そもそも、「神の領域」だと誰が決められるのか
一方で、少数ながら「そこまでするのは自然に反する。運命を受け入れるべきだよ」という反対派もいます。過去のYahoo!知恵袋(2011年8月)には、
「高度不妊治療ってなぜするのでしょう?神の領域と思うのですが。自然に逆らっているようにしか思えません」
と非難めいたことを書き込む人もいました。
当然、こうした意見には多数の反論があります。
「自然に逆らうとあるけど、ガンになったら大抵の人は手術したり延命治療しますよね。出産も帝王切開や、今は無痛分娩もよく聞きます。妊娠だけは意識するんですか?」
「自然に逆らってると言っても、結局、受精卵が女性の身体のなかで育ってくれるかどうかは、どんな医療も及ばないわけですからね。長年の治療から授かりましたが、医療はあくまでサポートだと実感しました」
中には、「そもそも、なぜあなたが『神の領域』を決めれるのでしょうか?」という批判も。また、経験者からの声は力強く、「後悔しないよう、できるだけのことをする」と、毅然とした意志表示をしています。
「顕微受精で2人の子供を授かりましたが、負い目なんて全然感じていません」
「そこまで強い意志で子供を欲しい、あなたに会いたかったんだよって気持ちは悪いことじゃないと個人的には思ってます。自然に逆らってるとまではまったく思わない」
約24人に1人が生殖補助医療によって生まれている時代
内閣府の資料によると、「体外受精」「顕微鏡受精」などによって生まれた子どもは全体の3%にも及びます(2010年)。3月25日の朝日新聞では、いまの日本では、約24人に1人がそうした生殖補助医療によって生まれており、もはや特別な存在ではないとしています。
不妊治療を受けずに後悔しても、誰もその悔いや悲しみを引き受けてはくれません。ネットや親の意見よりも、パートナーとよく話し合い、後悔しない選択をするべきでしょう。
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