正社員なのに定時は13~18時 創業時から全員5時間勤務の会社「朝は通勤ラッシュで疲れる、昼食後は眠たくなるから」
この勤務形態について全社員20人にアンケートを取ったところ、全員が「満足している」と回答した。その理由としては、
「朝の満員電車に乗らなくてすむ」
「家族や子どもと過ごす時間が増えた」
「朝活で運動し、心も身体もリフレッシュできる」
「勉強時間にあてられる」
などが挙げられている。時間に余裕ができたことで、自分や家族との時間を充実させているようだ。
ある女性社員は同社に転職する前は平均10時間労働していたが、現在は半分の勤務時間になった。しかしそれでも年収は前職から落ちていない。つまり、1時間当たりの報酬が2倍になった、ということになる。
ある男性社員は子どもの幼稚園への送迎をするようになって「家族関係がよくなった」と感じているようだ。健康を気にしてヨガを始めたり、人脈作りのために午前中に交流会に参加してから出社したりする社員もいる。また同社が毎週水曜日の午前中に開催している「宅地建物取引主任者」を習得するための講座に参加する社員もいるという。
「遅くても19時退社。残業があったら元も子もない」
長時間労働が社会問題になっているが、どうして「5時間勤務」が可能なのだろうか。キャリコネニュースの取材に、同社広報担当者は「最初から『5時間』という限られた勤務時間に設定されているからだと思います」と説明する。
「時間に限りがあるからこそ配分や優先順位を考え、いかに効率よく回すかを念頭に仕事をしているからではないでしょうか。その分、頭をフル回転しっぱなしです。だからと言って会社の雰囲気がピリピリしているわけでもないんです」
同社は個人向けの不動産の投資コンサルティングを行っている。顧客が会社勤めだと、同社の勤務時間外のアポイントメントが多いなど残業自体が多くなっているのではないか。同担当者は、
「基本的に勤務時間内にご対応していますが、時間外にアポイントメントが入ることもあります。残業も無いわけではありませんが、遅くても19時には退社をしています。勤務時間が短くても、残業があったら元も子もないですから」
と話す。同社は、労働環境を整え社員のモチベーションを上げることが社員の長期勤務、収益上昇、会社の長期存続に繋がっていくと考えている。同担当者は「今後はよりお客様と社員がWin-Winになる会社を作り上げていこうと考えています」と語っていた。
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