就活生の本来の姿を探るAI面接官が登場! Pepperに「もう少し詳しく教えて」と詰められる場面も
同サービスは人間の代わりにAIが1次面接を行い、就活生の資質や能力を明らかにする、というもの。
スマホやPepperに「SHaiN」のアプリをダウンロードすれば、時間や場所に関わらず面接を受けることができる。企業側にとっては人件費を削減できるだけでなく会場を用意するといった手間も省ける。また、就活生にとっても面接への移動時間や交通費が不要となり、負担が少なくなる。
「SHaiN」のAI面接を通して分かるのは「バイタリティ」「イニシアティブ」「柔軟性」「感受性」「自己独立性」など7つの素質と、「理解力」「表現力」などの3つの能力だ。
相手の持っている能力を把握するため、回答を分析し必要であれば追加で質問を投げかけ、どのような人物なのか評価レポートを作成する。企業はこれをもとに2次面接に進んでもらう人を決めるという。
同社代表取締役の山崎俊明社長は、
「志望動機を聞いて熱意をはかる企業もありますが『御社が第一志望』といっている人が優秀な人材とは限りません。企業側がどのような資質・性格を持った人材が欲しいかを明確にして、それに当てはまる人を採用した方がミスマッチも少なく、離職率も低下するのではないでしょうか」
と語った。今のところ、同サービスを2次面接以降に導入する予定はないという。やはり、「企業に必要な資質を持つ人を選ぶ」ための手段のひとつ、という位置づけのようだ。
Pepper「その困難を乗り越えるために何をしたのかを、具体的に教えてください」
デモンストレーションはPepperの
「それでは面接を始めさせていただきます。私のようなロボット相手の面接は初めてですよね。少し緊張すると思いますが、どうぞリラックスしてお話しください」
という言葉から始まった。緊張をほぐそうとしているのだろうか。
「ゼミや部活、サークル活動、アルバイトなどでとても苦労したことや困難な状況を乗り越えたことはありますか? 『はい』か『いいえ』でお答えください」
という質問にそれに対して就活生役が「はい」と答えると、
「その苦労や困難はどのような状況だったのですか?」
「その苦労や困難を乗り越えるために何をしたのかを、具体的に教えてください」
と深く掘り下げていく。印象的だったのは、なぜその困難を乗り越えなければならなかったのかという質問に「全国大会を狙っている部活動だったので、先輩たちに追いつくことが困難だった」と簡単に答えたとき、
「苦労や困難を乗り越えなければならなかった理由をもう少し詳しく教えてください」
と、具体例を求めてきたことだ。これらは就活生にどれほどの「バイタリティ」が備わっているかを探るための質問で、AIが「就活生を分析するにあたり情報が足りない」と認識して質問を追加したのだという。
他にも意図とそれた回答をすると「理解力がない」と認識されたり、就活生が1分以上回答するとまとめる力がないと認識されたりするという。さらに表情の変化まで認識しており、人間よりシビアに評価していると言えるだろう。
キャリコネニュース編集部員も実際に面接を受けたが、Pepperの冷静な口ぶりに非常に緊張し、何度も「もう少し詳しく教えてください」と言われてしまった。まさかロボット相手に動揺するとは思ってもみなかった。ただ、一問一答形式で前の回答を深堀していく形なので、面接を受ける側としては筋道を立てて話しやすい印象を受けた。
サービスは8月から提供を予定しており、費用は1人分の評価レポートを作成につき1万円の予定となっている。