民進党・前原氏が希望の党と合流で「カオス」と困惑する声 「何のための代表選だったのか」「全く意味不明」
同党の有田芳生参議院議員は27日、「民進党と希望の党が合流する構想が強まっているという。『いう』と書くのは、いわゆる『ボス交』(ボスの交渉)でことが進んでいるから、全く知ることができないからだ」とツイートし、状況を把握できていないことを明らかにしていた。その上で、
「安保法、共謀罪などに賛成した議員との合体は『悪魔』との握手だ」
と合流を批判していた。希望の党には、「日本のこころ」に所属していた中山恭子参院議員や「みんなの党」に所属していた松沢成文参院議員ら、安保法や「共謀罪」法案に賛成していた議員が名を連ねている。そうした人々と手を組むことはできないということだろう。
共産党の志位和夫委員長も同日、
「希望の党は、安保法制を容認し、改憲を進めるとしている。これでは自民党と同じ。自民党に対抗する旗は立てられない。民進党が、市民連合との合意、野党4党の合意を守ることを期待する」
と語っていた。前原代表の狙いは安倍政権との対峙にあるようだが、希望の党では自民党と差別化できず、対抗できないのではないかという指摘だ。
また民進党・前原代表の行動に戸惑う声も相次いでいる。前原代表はつい先日行われた同党の党首選で、枝野氏を下して党首になったばかり。経済評論家の佐藤治彦さんは、
「代表が民進党から出て行きたいのであれば出て行けばいいじゃないか。他のものまで巻き添えにする必要はない。何のための代表選だったのか?」
と批判。他にも「何で民進党代表に立候補したんだよ」「何がしたいのか、全く意味不明」といった声が相次いでいる。
枝野幸男代表代行の意向は?「発言が不正確な引用をされています」とNHK報道を否定
時事通信によると、前原代表の唐突な路線転換に党内は混乱しており、反発も予想されるという。気になるのは、枝野幸男代表代行の意向だ。
NHKは27日、枝野氏も出席した民進党の緊急会合で「民進党の候補者に党の公認は出さず、党籍を残したまま『希望の党』の公認候補とすることや前原代表は無所属で立候補することなどが報告された」と報じていた。
この報道に対して枝野氏は同日、「私の発言が(しかも記者に話したものでありません。)不正確な引用をされています。記事になるプロセスでの伝聞の重なりではないでしょうか?」とツイート。枝野氏が希望の党への合流や前原代表の無所属での立候補を認めたとも読める報道を否定していた。