樹齢150年の木を引っこ抜いてXマスツリーにするのは「かわいそう」? 日本林業協会「大きく育つ前に切る方がかわいそう」
ツイッターでは「長く生きてきた場所から引っこ抜いて飾ってあとは刻んで売るって、ちょっともうなんかそれ違くない? てっきり、生かすための移植だと思ってたもんだから驚いてしまった」など、イベントのコンセプトに関するネガティブな声も上がっている。
「木が可哀想すぎて、唖然」という声も少なくはなかった。
「何年も生きてきた立派な樹木がこんなイベントのために命を絶たれてしまう。素直に可哀想そうという気持ちが起こらないのか?主催者はひどすぎます」
一方で、「樹齢150年の樹を人間が商用利用することがなぜそんなに怒られるのか合理的な理由が分からない」という声も寄せられている。樹齢150年の木を植え替えた後に加工することは、果たして「人間のエゴ」として糾弾されるべきことなのだろうか。
キャリコネニュースの取材に、日本林業協会の篠原宏事務局長は「樹齢150年のあすなろの木が伐採され、商品として加工されるのは普通」と語った。
「樹齢1500年の木やご神木を加工する、というのであれば『どうなの?』とは思う」
あすなろは「ヒバ」「ツガルヒノキ」などの名称で親しまれており、古来より建築用の建材から、お箸や升などの小物までさまざまなものに使われてきた。
「あすなろの木を伐採するタイミングは『大きくなったら』。ツリーに使われている木の大きさなら、通常の伐採時期でしょうね。天然の木は100年で1メートル程度しか伸びず、大きくなるのに200~300年かかります。でも植林した木はすぐ伸びるので、150年で30メートルになります」
むしろ篠原さんは「大きく育つ前に切る方が『かわいそう』だ」と言われることが多いといい、
「例えば樹齢1500年の木やご神木を、他の場所に植樹して加工するというのであれば『それはどうなの?』と思います。しかしこの場合は普通ですし、それがかわいそうだなんて初めて聞いたのでびっくりしました」
と話していた。
同プロジェクトの会見で、企画を主導するプラントハンターの西畠清順さんは「巨大な木を多大な労力をかけて運ぶことで『この木がかわいそう』とか『人間のエゴなんじゃ?』とか、そんな意見が自然に出てくると思う。議論になることが僕の願い」と話していた。この物議が、木を考えるきっかけになったのであればイベントは成功、とも言えるのではないだろうか。
木が可哀想すぎて、唖然。
本気なの?#世界一のクリスマスツリー— 貴璃(きり) (@sdsdk_tw) 2017年11月22日
#世界一のクリスマスツリー
ひどい。やめて欲しい。なんとかしてやめて欲しい。何年も生きてきた立派な樹木がこんなイベントのために命を絶たれてしまう。素直に可哀想そうという気持ちが起こらないのか?主催者はひどすぎます。— suhukuuh (@suhukuuh_imskyh) 2017年11月20日
プラントハンターの西畠さんが叩きまくられてるけど、僕は正直樹齢150年の樹を人間が商用利用することがなぜそんなに怒られるのか合理的な理由が分からないのです。そうして持ち出され伐られゆく樹を惜しむ気持ちはとても尊いと思うのですが、→
— 長嶋祐成 (@kuroNYU) 2017年11月22日
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