東京への一極集中、決してネガティブなことではない? 「国際都市東京の競争力維持は日本全体にとっても極めて重要」
転入超過だったのは、これら4都県と愛知県、大阪府、福岡県の計7都府県のみで、残りの道府県では、転出者が転入者を上回る転出超過となっている。転出超過者数が最も多いのは福島県の8395人で、次いで兵庫(6657人)、北海道(6569人)が続いた。
この報道を受けてツイッターでは、一極集中の弊害を指摘する声が上がっていた。「大きい自然災害などに襲われたときにダメージが大きすぎ」という声もある。現在、省庁の多くが東京都に集中しており、大災害が発生すると一気に機能停止に陥る危険がある。
また「こりゃ東京の電車が混むのも当然のような」と嘆く人もいた。国交省の調査によると首都圏の鉄道混雑率は、上位20本の路線で全て160%を超えている。経済の一極集中が是正されれば、こうした混雑も緩和される可能性は高い。
一極集中の原因としては「これって結局大手企業が東京にばかり会社置くからでしょ?営業さんが活動する営業所以外の、特に技術部門は地方におけば良いのに」という声も上がっていた。企業が一部の部署を地方に移転させれば、地方に雇用が生まれることになる。
舛添要一「超高齢社会は都心への回帰が進む」
ネット上では一極集中をネガティブに捉える声が多いが、一方、実業家で慶應義塾大学の夏野剛・特別招聘教授は1月30日、
「東京一極集中はいけないなどと反応する愚かな人たちがいるが、国際都市東京の競争力維持は日本全体にとっても極めて重要だから、東京は東京で発展させて、地方は地方で独自色を強めていくこと……」
とツイッターに投稿。アジアでは近年、国際金融都市として知られるシンガポールや香港などの発展が著しい。そうした都市に東京が後れを取らないためにも、東京一極集中を是正するというよりも、東京と地方都市、それぞれ発展させた方がよいということのようだ。
元東京都知事の舛添要一氏も同日、
「超高齢社会は都心への回帰が進む。免許証を返納しても、公共交通機関が発達している都心なら大丈夫。郊外や地方では、移動手段がない。医療施設も同様だ。それに対抗するには、自動運転の車、遠隔医療などの新技術が役に立つ」
とツイートした。高齢者にとっては、交通機関が発達し、医療機関の多い都市部の方が暮らしやすいため、東京一極集中もやむなし、ということだろうか。