恵方巻、「廃棄されるものを作る必要がある?」とスーパーが問題提起 「もうやめにしよう」「売上至上主義に違和感」
チラシでは、さらに続けて、
「食材を原価だけで考えてるからそんなことになるんやと思う。水も土も海産資源も地球が無料で私たちに与えてくれています。(中略)ヤマダの鮮魚従業員も『海産資源は絶対減ってる』って言ってます。だから大事にしたいんです」
と訴えている。食材を”材料費”という観点からだけ捉えるのではなく、有限な資源として捉えるべきだということだ。こうした考え方に立ち、同社では「今年は全店、昨年実績で作ります」としている。
このチラシの真意について、同社の担当者は、
「海産資源が減少しつつある中で、持続可能性というものを大切にしていきたいと思っています。そこで恵方巻は本当に必要なのか?廃棄されるものを作る必要があるのか?と考えました。これ以上、量を増やすのは正しくないと思うんです」
と語る。
実際、今年は作る数を制限したことで、「数店舗で廃棄が出てしまいましたが、例年よりは廃棄を減らすことができました」という。
「完全予約制にした方がええんちゃう」
ツイッターでは、このチラシを見て「いいぞ」といった称賛の声が相次いだ。
「こんな取り組みをするスーパーマーケットもあるんだなと感心した」
「こういう企業がもっと増えるといいのにね」
また、恵方巻の製造については、「完全予約制にした方がええんちゃう」という意見も出ていた。そもそも事前に予約を受けて作った方がいいのではないかということだ。
ツイッターの反響についてヤマダストアーの担当者は「この問題に関心を持っている人が多かったのだと思います」と歓迎していた。電話やメールで直接、賛意を示す人もいたという。
恵方巻を巡っては、コンビニ店員が販売のノルマを課されたり、自腹で買い取らされるといった問題も生じている。新しいイベントを仕掛けて売り上げを伸ばしたいというコンビニやスーパーの思惑もわからないではないが、節度を持ってやってもらいたいものだ。