ビックカメラとの取引停止を発表した高級イヤホンの輸入販売店 試聴機が破損され「ブランドイメージが損なわれる」
店頭試聴機は、店舗を訪れた客が音源をつないでイヤホンの音質を確かめるためのものだ。イヤホンそのものとアクリル什器の台からなっている。
同社サイトに掲載された「株式会社ビックカメラとの取引停止に関するお知らせ」によると、ビックカメラ池袋本店に貸し出していた計9台が次のような状態で返却されたという。
「15mm厚のアクリル什器(展示台)は割れてしまっていたり、折れてしまっていたり、接着面も剥がれています。イヤホンに関しては、ノズルの根本部分から折れているものが多く、その為サウンドチェックはできません。そしてこれらは当社からの貸出機です為、可能な限り綺麗な状態で持ち主に返す必要がございますが、残念ながら当時の原型はとどめておりませんでした」
同社の担当者は、「試聴をするうちに劣化するのは仕方がないことです。しかし今回返却されたものは、使い込んで摩耗したのではなく、明らかに壊れていました」と話している。
ビックカメラの扱いが悪かったというよりも、たまたま乱暴な客がいただけではないのか。しかし担当者によると「高額な商品が多く、店頭ではショーケースに入れられていたはず」だといい、客のせいではない可能性が高い。
「今後も同じようなことがあれば、他の販売店さんに対しても同じような対応をする可能性はあります。ただし、ビックカメラについては、今回の1件だけで取引停止を決めたわけではありません。試聴機が壊れることは十分にありうることですが、すぐに対応してくれていれば、公表したりしません」
ビックカメラは「本件に関する事実や経緯の確認」
また取引停止を決めたのは、「ブランドイメージを守るため」だという。
「今回、破損したイヤホンは、安いもので5万5500円、高いもので約21万円の高額な商品です。壊れたものや状態の悪いものがそのまま店頭に並んでいるとブランドイメージの棄損にもつながります。メーカーの意向にも背くことになり、迷惑を掛けてしまいます」
同社の扱っているイヤホンは、アマゾンでは5万5800円~約43万円で販売されている高級品ばかり。ビックカメラの店頭でぞんざいに扱われたら、高級品としてのイメージが損なわれてしまうのだろう。
同社の取引停止は、ネットで話題に。「十万以上するイヤホンがこの扱いで返却はないわ」などと書き込む人が多かった。ビックカメラの広報担当者によると「本件に関する事実や経緯の確認」を行っているところだという。