「人間とAIの戦争勃発」を懸念する社会人は2割 「10年後はAIによって生活の質が向上」は半数に登る
通信教育を行うフォーサイトは4月25日、「10年後のAI、現在のAI」に関するアンケート結果を発表した。調査は今年4月にインターネットで実施し、20~40代の男女1442人から回答を得た。
AIについて、10年後の未来はどうなっているかと思うかを聞くと「多くの産業でAI活用が当たり前になると思う」と回答した人は74.3%。
他にも「仕事でAIを活用したツールを使うことが一般的になる」(73.9%)、「AIを搭載したロボットと人間が一緒に働く」(73.2%)という人も7割以上いた。
「AIを搭載したロボットとの結婚が認められる」と予測する人も13%
また4割が「自我を持つAIが誕生する」(39.2%)、「社会問題の多くがAIによって解決する」(37.9%)と回答している。社会問題の解決について年齢別で見ると、20代が43.8%と他の年代と比較して割合が高かった。
「人間はAIのおかげで完全に働く必要がなくなる」(18.8%)は2割程度だが、年代別に見ると40代が13.9%なのに対して、20代は23.8%と10ポイント以上高くなっている。「人間とAIの間で戦争が勃発する」も18.2%、「AIを搭載したロボットとの結婚が認められる」は13%となった。
今と比べて10年後はAIによって暮らしが変化するかを聞いた。「生活の質」(49.5%)と「仕事の質」(49.2%)は約半数が向上すると回答しているが、「幸福度」は18.8%に留まっている。AIが発達しても真の「幸福」にはつながらないと考えている人が大半のようだ。
自身のAIに対する認知について「よく分かっている」と回答した人はわずか4.6%。「あまりわからない」「全く分からない」の合計が66.6%と過半数となった。
「ビジネスではAI適用への指示が出せる能力が必要に」
これからどのくらいAIの勉強をしなければならないと思うかを聞くと「かなりする必要がある」が18.3%。「多少する必要がある」(37.3%)を含めると55.6%が必要性を感じている。ただAIの勉強をする具体的な予定があると回答した人は11.5%に留まった。
明治大学理工学部の高木友博教授はリリース内で、「AIは既にさまざまな形で入り込んでおり、単純な知的活動は今後すべてAIに置き換わります」として、遅くとも20年後には社会構造や人材ニーズが変化するだろうとしている。今後については、
「今後、AIを使いこなすことは常識となり、ビジネス系では適用のため正確に指示を出せる能力、それに伴いエンジニア系ではシステムの提供やデータ解析の能力が必須となります」
と語っている。